映画化もされた、辻村さんの本を読みました。

太陽の坐る場所




高校卒業から10年。
高校のクラス会の場面から始まる。
元同級生たちの話題は、人気女優となった
キョウコのこと。
クラス会を欠席し続ける彼女を呼び出そうと
それぞれの思惑を胸に画策する男女たち
だか、一人また一人と連絡を絶っていく。
キョウコをめぐって幾人の同級生の過去と
現在が描かれている。





相変わらず、辻村深月さんの文章は生々しい。
思春期の葛藤、嫉妬、妬み、虚勢など
読んでいて自分にも覚えがある事ような
だらけでした。

集団の中でうまく立場を確立して
やりくりするのは難しいですよね。

そしてこの話は名前が重要になってくる
ので、これから読まれる人がいたら、
注意して読んでみてください。
乾くるみさんのイニシエーションラブ的な
ミスリードがあります。
辻村さんらしくミステリー要素が入って
ます。
おかげで続けて2回目を読むはめになり
ました。
私には1回ではいまいち理解しきれなくて。。。


キョウコの正体が分かったとき何故か
私は救われたような気持ちになりました。


○○病棟シリーズの知念実希人さんの
別シリーズを読んでみたら面白かった!




犬の姿を借り、地上のホスピスに派遣された死神のレオ。
彼の任務は地縛霊予備軍の人間の未練を
生きているうちに断ち切ってあげること。
未練を抱える患者たちを救っていくうちに
ある共通の事件を見付ける。
そのレオの行動がホスピスを危険へと
導いてしまっていた。。。





ツンデレ天然系の死神の目線で語られる面白い話でした。
とにかく死神レオのキャラが可愛くて
すぐ好きになりました。

始めだけでなく是非、最後まで読んで欲しい。
ミステリー要素が加わってきて引き込まれます。
最後に話が繋がるという私の好きなタイプの結末でした。

人間は何のために生きるの?生き甲斐って?
っていう人間の答えにもサラッと答えてくれます。
何を当たり前の事を言ってるんだ、という
感じに。

知念さんの今まで読んだ、「仮面病棟」「時限病棟」よりもこっちの話の方が好きです。
次作は猫の死神らしいので、これも読んでみたいです。


読書芸人で出ていたカズレーザーさんが
面白いと絶賛していた若竹七海さんの本を
読みました。

どの作品から読めば良いか分からなかったので
うさぎ好きの私は装丁の可愛らしさから
これを手にとって読んでみました。





女探偵の葉村晶は、家出中の女子高生
ミチルを探しだす仕事で足を負傷する。
そのあと、ミチルの友人の美和探しを
依頼される。
調査を進めていくうちに他にも行方不明の
女子高生がいた。
真相を追ううちに葉村は監禁され飢餓と
暗闇に追い詰められていく。。。。



とにかく不運な探偵さんです。
あまりにも不運な事が起こるので実際に
過ぎている時間よりもながーく経過したん
じゃないかと思ってしまうほど。
ほんと、仕事は出来るのにどんどん
やっかいな事が降りかかってきて葉村の
体はボロボロです。女なのに。。。笑

結末は思ったよりもエグいです。
登場人物のキャラがみんな良いので
どよーんとした感じはないんですけど。
個人的にはゲイの大家さんがお気に入り
です。


とても読みやすい話でした。
ほぼ一気読みしました。




外科医の速水秀悟は療養型病院で時々、
当直医をするバイトをしていた。
代理で当直に入った日に強盗犯が押し入り
自ら撃った女性の治療を要求した。
強盗犯は朝まで籠城するらしい。
事件に巻き込まれた秀悟は女性の治療をし
脱出を試みるうちに、この病院に隠された
秘密に気付く。




閉ざされた空間での心理戦にドキドキします。

でも、しまった!!と思うことがありました。
私は先に次回作の「時限病棟」を読んで
しまっていたのです。
その本の流れから今作の黒幕的な人物に
割りと早く気付いてしまいました。
それでも、十分に楽しんで読める所が
面白いです。
早くページをめくりたくてたまらなかった。
物語の構成がちゃんと練られています。
医療ミステリーを読んだことがない人にも
難しくなく読めると思います。

辻村深月先生の文庫での新刊が出ました!
帯に唯川恵のコメント付で、直ぐに手に取った!!

今までの辻村作品とはちょっと違う
でも、ミステリー要素があるとこは
やっぱり辻村先生、という作品でした。

盲目的な恋と、盲目的な友情の話。





物語は恋と友情の2つのパートに分かれている。
恋のパートでは一瀬蘭花という美しい美貌の持ち主の視点。
大学のオーケストラに指揮者としてやってきた茂美星近と恋に落ちるが、裏切りを知ることにもなる。
周りにいくら別れろ、と言われても溺れている
蘭花は別れることができない。
そんなときに、決定的な終わりがくる。

後半は 蘭花の友人・留利絵の視点でみた歳月。
留利絵は蘭花のそばで尽くしつづけるが、
感謝されることがない。
でも、どうしても一番の親友になりたい。

二人の視点でおっていくと、ある真実が



留利絵の言葉で印象的なものがあります。

蘭花ちゃんは、かわいそうじゃない。
みんなに反対されてまで茂美に執着を
しているのは、蘭花自身の欲のせいだ、
「好き」って気持ちは何もかもより一番
偉いの?

っていう内容です。
当の蘭花には全く響かなかったけど、
私にはグサッと刺さったなぁ。

恋に溺れるのは分からないでもないけど
留利絵みたいに友情に溺れることって
そんな事あったかなぁ??私にはない。

最後は嘘をついて大きな賭けにでる留利絵、
この友情について想うことは人それぞれの
ものになりそうです。


今までの辻村作品に比べたら短めなので
長くてなかなか読めないー、って人にも
良さそうです。