私は人の名前と顔を覚えるのが苦手だ。
だから、学生時代はクラス替えをする度に苦労した。。。
それなのに、この本は主要人物が12人も出てくる。
それに加え、みんな建物の中をウロウロする。



内容(「BOOK」データベースより)

廃病院に集まった十二人の少年少女。彼らの目的は「安楽死」をすること。決を取り、全員一致で、それは実行されるはずだった。だが、病院のベッドには“十三人目”の少年の死体が。彼は何者で、なぜここにいるのか?「実行」を阻む問題に、十二人は議論を重ねていく。互いの思いの交錯する中で出された結論とは。




解説にもあったけど、深遠なテーマながらも重苦しい感じではなくエンターテインメントとして描かれている。


12人もいるのかぁ。。と、読み始めは不安もあったけど、誰がどういう人物で何を抱えているか整理して考えながら読むのは面白かった。

12人がそれぞれ自分にとっては重大な自殺をする理由をもって、違う思想の12人が意見をぶつけ合うのを見ていくのは興味があった。
共感できる子もいれば、そうでない子もいる。

13人目の正体は?とか結末が気になって飽きずに最後まで読むことが出来た。
終わり少し寂しい気持ちが何故かした。
良い終わり方だったと思うんだけど。なんか寂しいような、なんというか。。。

映画化されたので映像の方でも楽しみたいな!


そう遠くない未来にあるような、ないような。
SFのような話だった。



内容(「BOOK」データベースより)

渋谷で出会った謎の女性・ロダに勧められ、ミツキは国が設立したお見合いシステム「アカガミ」に志願した。しかし、これまで異性と話すことすらなかった彼女にとって、“国”が教える恋愛や家族は異様なもので、パートナーに選ばれたサツキとの団地生活も不安と驚きの連続だった。それでもシステムに手厚く護られた二人は、次第に恋愛やセックスを知り、「新しい家族」を得るのだが…。生きることの痛みと選択、そして輝きを見つめる衝撃作!





アカガミという、国のお見合い制度に参加すると驚くほどのサポートを受けられる。
こんな予算どこにあるのだろう??と、いらん心配をしてしまうくらい。
それくらい作品の中では少子化が問題だという事なのかな。

国が選んだパートナーと暮らしていく、ミツキとサツキの静かな暮らしぶりのシーンが1番好きだった。

ここに出てくる人達は静かだ。
生命が静かだ。
鼓動を感じられないくらい。

ラストは、ええ?!ちょっとちょっと!まぁ、そんな事だとは思ったけれど。。と、私が読みながらあたふたしている所で終わってしまった。

でも、最後の最後にサツキから生命の鼓動が聴こえたので安心した。
彼も私と同じ人間だったんだ。


読んでから2ヶ月程、ブログに書くのを忘れてしまっていた。
前作の「スマホを落としただけなのに」が面白く、第2弾があるということで早速購入して読んだ。



内容(「BOOK」データベースより)

神奈川県警生活安全サイバー犯罪対策課の桐野良一はあるPCから、死体で見つかった女の情報を探っていた。そのPCは、「丹沢山中連続殺人事件」の犯人のものだった。秘密を探るうち、犯人は桐野にある取引を持ちかけ―。その頃、巨額の仮想通貨流出事件が発生。セキュリティ会社で働く美乃里のもとに、ハッカーらしき男からコンタクトがあり…。情報化社会の恐怖を描くサイバー・サスペンス!




第1弾を読んでから本作を読むことをオススメします!!
今回はスマホは落としていないし後日談でもないのだけれど、読む順番を間違えると面白さが半減してしまうので。。。
前作と同じ登場人物も話に関わってくる。

前作よりも刑事事件の色が濃かった。
仮想通貨の話が出てきたりで、その辺に疎い私には難しいかな?と思ったけど、大丈夫だった。分かりやすく難しいと感じることなく読めた。
読み始めたら止まらない、ちょうど良いスピード感で話が進んでいった。

登場人物が好きだし真相を知った上で、時間があったらまた読み返してみたいと思った。



数年前に購入した「億男」
映画化されるニュースを見て久しぶりに読み返してみた。



内容(「BOOK」データベースより)

宝くじで3億円を当てた図書館司書の一男。浮かれる間もなく不安に襲われた一男は、「お金と幸せの答え」を求めて大富豪となった親友・九十九のもとを15年ぶりに訪ねる。だがその直後、九十九が失踪した―。ソクラテス、ドストエフスキー、アダム・スミス、チャップリン、福沢諭吉、ジョン・ロックフェラー、ドナルド・トランプ、ビル・ゲイツ…数々の偉人たちの“金言”をくぐり抜け、一男の30日間にわたるお金の冒険が始まる。人間にとってお金とは何か?「億男」になった一男にとっての幸せとは何か?九十九が抱える秘密と「お金と幸せの答え」とは?





人はお金さえあればたいていの悩みは解決して幸せになれると思っている。
そう思っているけど、実際は??
お金と幸せの答えについてずっと考えながら読んでいた。

チャップリンは「人生に必要なもの。それは勇気と想像力と、ほんの少しのお金さ」と言う。
主人公の妻は「欲」が私たちを生かしていると言う。

主人公の一男は親友の九十九に奪われた3億円を見つけるために、十和子、百瀬、千住という億男億女達に会ってお金と幸せについて考えていく。

その中で、私も一緒になって考えていくのだけれど、明確な答えをコレだ!!と見つけられなかった。
なんとなく分かりかけてきたところで話が終わってしまった。
結局、答えなんて人それぞれなのかもしれないけど。。。
答えは見つからなくても、本書を読んで何となくでいいから何かを感じられたから、それだけで十分にも思えた。
うまく言葉に出来なくてもどかしいけど、最後の一男の姿に人生の幸せについて感じられた。


本書を本屋で見つける度に気になっていた。
映画で観ようか迷っている時に、某メディアでネタバレを見てしまったので小説で楽しむことにした。



内容(「BOOK」データベースより)

麻美の彼氏の富田がタクシーの中でスマホを落としたことが、すべての始まりだった。拾い主の男はスマホを返却するが、男の正体は狡猾なハッカー。麻美を気に入った男は、麻美の人間関係を監視し始める。セキュリティを丸裸にされた富田のスマホが、身近なSNSを介して麻美を陥れる凶器へと変わっていく。一方、神奈川の山中では身元不明の女性の死体が次々と発見され…。






解説を先に少し読んでみた。
「頁を開く前に時計を確認しておくべきだ。
少なくとも数時間、あなたは本書から目が話せなくなる。」

なるほど、確かに!
と思った。
中だるみする箇所がないし、物語のスピードも良く飽きさせない。
いつもよりも早いペースで読み終えてしまった。

誰でも置き忘れる可能性のあるスマホ。
現に、一昨日の電車で向かいに座っていた男性がスマホを座席に置いたまま一旦ホームに出てしまっていた。
扉が閉まる前にすぐに気付いて取りに戻ったので、男性はスマホを落さずに済んだのだけれど。。
本書を読んでいる私の目の前でタイムリーに起きた。改めて、いつ自分が落としてもおかしくないな。。と怖くなった。

話は3つの視点で進んでいく。
その3つの入れ替わりがよく計算されて話が進んでいた。
目が途中で疲れるから、何回か中断したけれど時間と体力があるなら一気読みしたかった。

そして、、あの時なんであんなネタバレを見てしまったんだろうと改めて悔やんだ。
知らずに読んでいたら、もっともっと楽しめたのに!!!
生放送って怖い。

志駕晃さんの他の作品も気になったので帰りに買って帰ろうと思う。