日露戦争に勝利した日本は、国際社会の中でも確固たる地位を築き始めたように見えました。ヨーロッパを主戦場とした第一次世界大戦(1914年~18年)においても「日英同盟」に基づいて参戦を打診され、結局ドイツに対し宣戦布告、清国内におけるドイツの植民地に対し攻撃。また、陸軍のヨーロッパ派遣を打診されたが、海軍艦船18隻をインド洋及び地中海に派遣し軍事行動を行ったのです。この人類史上初の世界大戦においても連合国側の勝利に寄与した日本は、パリ講和会議に五大国の一国として代表を派遣し、参加。この講和会議の目的は、世界秩序の回復でした。アメリカのウィルソン大統領は、国際法と国際秩序の回復を唱えて参加したのです。日本は、大統領の提言に+アルファということで次の発言をもって臨んだのです。
「我が大日本帝国は、国際連盟の盟約として、人種平等の原則が固守されるべきことを、ここに提案する。」
これは、まさに画期的な発言です。この時代、今まで学んできたように西欧列強の群雄割拠の世の中でした。とにかく有色人種国家は全て植民地支配してOKという不問律を正義とし、狡猾な恫喝、武力行使、搾取、人種差別、同民族における殺戮、戦争行為等々やりたい放題です。そんな世の中において、強大な白人国家に勝利した有色人種国家・大日本帝国が人類は平等に扱われるべきであると白人国家にて構成されている連合国の一員として、世界秩序回復の一つの大きな鍵である人種平等の原則を訴えたのは偉大なる行為であったのです。しかし、この日本の発言は採択されませんでした。やはり、白人国家は、この日本の発言をそのまま鵜呑みにすることは出来なかったのです。
特に、米国は有色人種を奴隷として扱ってきた国です。そう簡単に、至極真当である人種平等ということを、理解は出来ていても受容出来なかったのです。米国の姿勢が正しいのか、正しくないのか、それは皆さん冷静に考えれば理解できますよね。
先の大戦における敗北から、日本人は白人に対しコンプレックスがあると言われています。昔の日本人の威風堂々として、大和民族としての誇りを体現していたと思います。今はどうでしょうか。逆に現代の日本人は、他のアジアの国々の人々に対し、人種差別的な偏見をもってはいないでしょうか。この時代の日本人の誇りと考え方、そしてアジアを牽引し、世界を平和に導くという気概を持った日本人としての心は、現代の日本人の中にまだ存在しているでしょうか。皆さん、このことを民族の命題として考える時期に来ていると私は強く思うのです。
続く