心理戦 Psych Out
今回紹介する表現は、「(人の心理を読んで)出し抜く、びっくりさせる、怖気させる」といった意味を持つ psych out です。
この psych とは、もともとpsychology「心理学」、psychiatrist「精神科医」、又は、psychologist「心理学者・精神分析医」の略ですが、out とかup を伴って動詞で使えます。
Psych upとなれば「(人に)~の心構えをさせる」といった意味で使われます。
今回は表題を、「心理戦」にしましたが、意味的には相手の心理を読んで騙したり、動揺させたりという意味合いがあるためこのようにしました。
因みに一般的にも「心理戦」という言葉は浸透しておりますが、これはもともと政治的目標若しくは軍事的目標の達成のために行われるものなのです。
因みに軍事的には、PSY-OPS (サイオップス)と呼ばれています。
つまり、国家、組織、個人などの意見、態度、思考、行動などに影響を及ぼすため、情報活動・諜報活動や、ポロパガンダ(宣伝活動)を行って軍事的目標を達成させることなのです。
例えば、韓国軍が、北朝鮮空域上空からビラをまいたり、巨大スピーカーを使って情報を流したりすることもある種の心理戦と言えます。
また、テロリズムも心理戦の一つと考えられています。
さて、一般的に「心理戦」と言えば、スポーツの世界で考えると分りやすいかもしれません。
相手チームの状況を客観的に考察し、相手の立場に立って、相手の次のアクションを予想し、そこに勝るような作戦を考えてこちらの行動を決定していく、という感じですね。
将棋や囲碁も同じですよね。
勿論チェスやトランプもそうです。
相手の心を読んで仕掛けていきますよね。
恋の駆け引きなんかも立派な心理戦です。
でも駆け引きばかりに軸を置いた付き合いって上手くいかないと思いますけどね。
やっぱり、恋愛は腹を割って話しできる関係にならないとダメですよね。
さて、本日の表現の使い方を見ていきましょう。
A: Hey, we will have a surprise test today!「今日抜き打ち試験あるらしいよ。」
B: Really? How could you know that!? 「本当?どうやって知ったの?」
A: Kidding! I psyched you out.「冗談だよ。ひっかかったね。」
という感じになります。
受動的に使う場合は、get psyched outとすればOKです。
I got psyched out! 「騙された!」となります。
心理的に引っ掻き回されてどうにかなったという感じですね。
Upを付けると心理的に準備が出来たという感じになると考えればOKです。
因みに Psychic となれば、「超能力者」となります。
別に幽体離脱ができるとか千里眼を持っているとかでなくても、「今日のナイトゲームは、3-2で巨人の勝ちだよ。」なんて言ってて、本当にそうなったら Hey, you are a psychic! と言ってあげれば喜ばれますよ。
では、また
こうちょ