ダチョウは砂に頭を突っ込む? Like an ostrich with its head in the sand
今年の政治を振り返ってみると大きな決定がなされましたよね。
そうです。
集団的自衛権です。
この案件に関して与党と野党のやり取り、民間の反対の声が大きく取り上げられましたよね。
私は、自衛隊を引退しましたが、様々な思いをもって見ておりました。
この時、野党は、「無茶苦茶な議論で、国民を危険な防衛体制に送り込んでいいのか?」という議論をし、与党は、「有事が起こらないと考えるのは、いわば砂の中に頭を突っ込むダチョウのようなものだ。見ないようにすれば、有事のような事態が起こらないと思ってしまう考え方だ。」と反論していました。
ここで、ダチョウが引き合いに出されたんですがダチョウは実際、危険を察知した場合、頭を砂に突っ込むのでしょうか。
答えは、否です。実際、ダチョウは、危険を察知した場合は、身を伏せ、目立たないように首を地面に押し付けます。
そのようにして、外敵から身を守るための防衛態勢をとっているわけです。
このダチョウの防衛行動を大袈裟に表現したものが、今回紹介する表現で、「見て見ぬふりをして、問題から目をそらす」という意味を持つ、like an ostrich with its head in the sand という表現です。
実際は、ダチョウは危険を察知し、必要であれば攻撃します。
ダチョウの蹴りが炸裂するとライオンを倒すパワーがあるそうです。
でも、西洋の人々は、ダチョウは危険が迫ると、頭を砂に入れて現実逃避をするものとしてきたようです。
また、日本の国会の場でのやり取りに出てくるほどの表現ですから、非常に有名なものなんですね。
話を戻しますと、確かに、集団的自衛権に関する議論は有耶無耶にできませんし、台頭する周辺国の脅威を考えれば、何かしら準備していかなければなりません。
また、集団的自衛権を行使する際のカウンターパートについても考えていかなければなりません。
日米安全保障条約があるにせよ、米国の気持ちを忖度しなければ、これから同盟国として対等に付き合っていくことすら難しくなってきます。
安全保障に関しては、日本は、現在、かなり自己中になっていると思っています。
相手の立場を考えなければ、アメリカは本当に日本の自衛隊と共に戦ってくれるとは思えません。
この点を考えていかなければならないと思っています。
さて、idiom に戻ってみましょう。
使い方としては、Don’t act like an ostrich. You can’t avoid the fact. 「現実から目を背けるな。現実からは逃れられないぞ。」といった感じです。
集団的自衛権の話題にせよ、私たち、個々の人生にせよ、避けられない課題や問題は多くあります。
私、個人もそうですが、生きていくためには、知恵を絞って、現実の問題に対処していかなければならないのでしょうね。
では、また
こうちょ