まだ判決は出ない! Jury’s still out
アメリカの裁判制度についてご存じではあると思いますが、ここでおさらいしておきます。
アメリカの裁判制度は、陪審員制度を採用しているというのが最大の特色です。
陪審員は、一般の市民から抽選で選出されて一定の期間、裁判を行います。
これは、日本の裁判員制度と非常に似ています。
刑事事件の陪審は大陪審と小陪審に分かれています。
大陪審では検察官の提出した証拠や証人の供述をもとにして被疑者を訴追すべきか、どうかを判断します。
大陪審は、捜査にかかるものなので内容は公開されません。
小陪審では、被告人と検察の主張立証をもとにして有罪か無罪の評決を下します。
小陪審は、通常12名からの陪審員で構成されます。
この陪審員の意見が全員一致した場合にのみ評決を下すことができます。
従って一人でも合意に達しない場合は評決不能となり、新たに陪審員を選出して裁判をやり直しする必要があるわけです。
これが、アメリカの陪審員制度となります。
陪審員は評決を出すために法廷外で合議をするわけですが、これを表した表現が、本日の Idiom の Jury’s still out という表現になるのです。
「陪審員は、まだ外にいる」という意味です。
つまり、「結論は出ていない。まだ合議中である」という意味になります。
例としては、According to Tom, the jury’s still out on how many employees will be going to US to observe subsidiary factories. 「トムによると、何名の社員が、米国関連工場の研修に行くかは決まっていないということだ。」となります。
特に、裁判関連のお話ではなくとも、このように何かがまだ決定していないというのを表すのに使える、ちょっと粋な表現ではあります。
では、また。
こうちょ