第2回 米軍ってどんな組織? | 熱血講師 ショーン 近藤 Leadership & Language Boot Camp

熱血講師 ショーン 近藤 Leadership & Language Boot Camp

日本人精神を復古させ、日本人が真のリーダーシップを発揮し、世のため人のため活躍出来るよう、語学教育とリーダーシップ研修を通して皆様と大きな力を作り上げていく熱血講師 ショーン・近藤の公式ブログです!

先ずは、パリでの同時多発テロで亡くなった方のご冥福をお祈り申し上げます。


今回は、米軍に留学して学んだことを皆さんとシェアしていきたいと思います。


先ず、米軍の組織について概要をチェックしていきたいと思います。


先ず、最高指揮官は、ご存じのとおり大統領です。


大統領が軍隊を動かす意思決定を行います。


通常は、議会からの承認を得て動かすことになりますが、ほとんどは問題なく承認を得て、軍隊を動かすこととなります。


但し、議会の承認を得るということは、それなりの時間が必要となってくるということですよね。


そこで切迫した状況の時はどう対処するのかという話になります。


大統領の命令で直接動かせる部隊はあるのか、無いのかという話になります。


これは、合衆国海兵隊がそれにあたります。


海兵隊は、大統領の命令を直接受けて動きます。


他の陸軍、海軍、空軍と比べると非常に小さな部隊(それでも自衛隊より規模は大きい)ですが、常に第1線部隊として任務に就いています。


彼らは、24/(twenty four seven – always) 地球上のどこかの海上を航行し、緊急事態に対応できるようになっています。


海兵隊は日本にとっても非常に馴染みのある部隊です。


海兵隊は大きく3個の部隊を保有しています。


1つは、カリフォルニアに駐屯する第1海兵遠征軍 (1st Marine Expeditionary Force – 1MEF)、ノース・カロライナに駐屯する第2海兵遠征軍 (2nd Marine Expeditionary Force – 2MEF)、そして第3海兵遠征軍 (3rd Marine Expeditionary Force – 3MEF) は我が国、沖縄に駐屯しています。


それぞれの遠征軍は、海兵遠征旅団 (Marine Expeditionary Brigade – MEB)、海兵遠征部隊 (Marine Expeditionary Unit - MEU)を有しており、MEUが常に海上で24/7任務に就いているわけです。

では、米軍の編成をざっくり見ていきましょう。


米軍の親分は、オバマ大統領です。


その下に国防長官がいます。現在はカーター国防長官です。


この方が国防総省の統括責任者です。


その下に陸軍長官、海軍長官、空軍長官が配置され、それぞれの軍の軍政を担っています。


これらは文民で指名を受けた者がなります。


では、制服組はどこにいるのかというと、まず、統合参謀本部というのがあります。


これはアメリカ軍の最高機関であり、組織体系的にはアメリカ国防省およびそのトップである国防長官の下にあります。


軍事戦略の立案を行うとともに、大統領及び国防長官、国家安全保障会議、国土安全保障会議に対して軍事問題に関する助言を行うことを任務としています。


この統合参謀本部議長が、事実上制服組のトップとして位置付けられています。


ここで、オバマ大統領が示す国家戦略に対応する軍事戦略を練ります。


彼らには指揮権が与えられておりませんから、作戦命令は、大統領→国防長官を通して下令されていきます。

では、実動部隊はどうなっているかというと、現在は統合任務部隊として米軍は作戦行動を行いますから、陸・海・空・海兵が必要数部隊を統合任務部隊に差出すという形をとります。統合任務部隊は、それぞれ地域を担任する統合軍に属しています。


米軍へ、世界を6つの地域に分け、それぞれ担任する統合軍を編成しています。


1 北米担当 アメリカ北方軍(USNORTHCOM

2 南米担当 アメリカ南方軍(USSOUTHCOM

3 太平洋・アジア担当 アメリカ太平洋軍(USPACOM

4 中東担当 アメリカ中央軍(USCENTCOM

5 ヨーロッパ担当 アメリカヨーロッパ軍(USEUCOM

6 アフリカ担当 アメリカアフリカ軍(USAFRICOM

また機能別に3つの統合軍を保有しています。


1 アメリカ特殊作戦軍

2 アメリカ戦略軍

3 アメリカ輸送軍

です。


この戦略軍はサイバー空間や宇宙空間も担任しています。

このラインナップを見ただけでも凄さが伝わります。


その他に、州軍と予備役を保有しています。


全て合わせると150万人の兵士を保有しています。これは、京都市の人口より多い数です。


自衛隊は21万人くらいですからその圧倒的大きさには驚かれると思います。


彼らは、この強大な組織を動かして、世界を見、事が起きたら直ちに対応し、国益に繋げるようにしているわけです。

オバマ大統領は、イラク・アフガニスタン問題が沈静化して来たら、徐々に軍を縮小する予定を打ち出しています。


しかし、現在イスラム国が大分勢力を拡大していますからすぐに軍縮ということにはならないかもしれません。


また、中国、北朝鮮の脅威がありますから、アメリカ太平洋軍は数を減らさないという方針を打ち出しております。

これが、米軍のざっくりとしたダイジェスト版という感じです。


ここを理解して頂かないと私の留学時の話をシェアしてもとんちんかんとなってしまいますので、どうぞご容赦ください。


では次回また、この続きを書いてまいりたいと思います。