Chapter 7 Rocky Balboa, My Hero | 熱血講師 ショーン 近藤 Leadership & Language Boot Camp

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Chapter 7 Rocky Balboa, My Hero ロッキー式トレーニング

哲は、先ずなまった体を自衛隊の訓練についていけるように再び鍛え上げなければならないと感じていた。確かに中学時代、高校時代の前段は柔道の稽古で相当鍛えたし、体力も人並み以上にあることは自覚していた。しかし、稽古不足で体力低下、不規則な生活、喫煙、飲酒と非の打ち所のない不健康さを鑑み、特訓モードに入る決意をしていた。まず、哲が手始めにしたことは、勿論皆様の期待に応えてのビデオ鑑賞である。ロッキー・バルボアのトレーニングをシリーズを鑑賞し、取り入れることが可能なトレーニングをピックアップしていった。最初の2日間はビデオの鑑賞だけで終わったが、元来哲は感受性が豊かであったので、ロッキーの生き様に一喜一憂し、同情し、一緒に感動し、涙を流し、モチベーションを上げていた。哲にとって、イメージを頭の中で作り上げ、それに近づけるように努力する、というアプローチが一番性に合っていた。ロッキー4ではロッキー・バルボアがソ連からの刺客であるドラゴに対抗するため、積雪地帯で機械に頼らないトレーニングを積んでいた。哲のいるこの地も積雪地帯である。同じようなトレーニングを取り入れることにした。先ずは走る、走る、走る。積雪の影響で足元は悪いが、関係はない。ロッキーが悪条件をものともせずトレーニングを黙々とこなしていた映像が頭の中に残っている。自分も出来る。友人、同級生から遅れを取っている自分の人生を立て直すためにも、ここは頑張らなければならない。とにかく、毎日走った。走ることによって、今まで見えてこなかった町並みや働いている人々も見えてきた。故郷の景色も心に刻むことができた。この冬という季節、気温、湿度、風をしっかりと体に覚えさせることもできた。車での移動ではなくて、自分の足で走ることによって様々な発見をすることが出来た。いつも何気なく車で走っている距離がそんなに長く感じなくなってきた頃、自分の体が自分の設定した目標に近づいたのがわかった。哲は、これで自衛隊に挑めると確信した。哲の日々の努力の姿を認めたのか、両親も哲の背を押した。「よし、やるしかない。逃げないで、やってみよう。」少しだけ心の中に湧き上がった自信が心の不安を押さえ込んだ。哲は決心できた。その頃は、トムと決別していた。あの格好良さじゃなくて、格好悪くても諦めない格好良さを追求する気持ちが芽生えていた。

to be continued....