はかなげな宮沢りえ 「紙の月」 | 映画と音楽のある生活

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 宮沢りえというと、私には発禁本となった「サンタフェ」に貴〇花との結婚騒動だ。そう言えば「立派な父に美人の母。父に憧れ精進する兄弟」と日本を代表する「理想の家族」と思われたご一家も、不倫に兄弟の不仲へと変わっていった。私は「お兄ちゃんのブログ」に、たまに「いいね」をクリックしたりする。

 角田光代原作の「愛がなんだ」に続くダメンズ第二弾と思い視聴した。銀行員の女性が男に貢いでお金を使い込むというお話だ。当時、同様の事件があり、それにインスパイアされた作品と思う。

 ところが、当作では主人公梨花(宮沢りえ)は、夫が無関心な面はあるが普通に結婚もして恵まれた環境にある。顧客の孫である大学生と関係を持つが、逢瀬の際に高級ホテルで散財するのは彼女の方が積極的だ。

 配役で面白かったのは、主人公の使い込みを追い込む年上のキャリウーマン役の小林聡美だった。

 大林宣彦作品の「転校生」に出演していた頃とは、随分イメージが変わったいた。

 サブタイトルに「はかなげ」と書いたけど、主人公の梨花は、使い込みが発覚しても、開き直って上司の不倫をネタに逆に脅迫したりする。ラストもガラスを叩き破って逃走する等、ある意味で芯の強さを見せている。

 逃走先である海外(バンコク)で、逃亡生活を続けているシーンでエンドロールを迎える。宮沢りえの熱演が光る作品だと思った。

 アマゾンプライムで視聴