結局、ポトフはどうなったのだろう? 「ポトフ 美食家と料理人」 | 映画と音楽のある生活

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 地元のミニシアターで視聴した。だいたい、このシアターは数か月遅れでショッピングセンターのシネコンが扱わない作品を上映している。「市子」みたいに、ここで視聴した数日後にアマゾンプライムで無料公開されることもある。

 19世紀のフランスの美食家ドダン(どこかの領主だと思われる。)と専属の女性料理人ウージェニーのお話だ。

 冒頭30分くらいが、何の説明も無く、ひたすら料理シーンが流れる。個人的には、とても興味深かったが、料理に興味が無い人は、ここでギブアップするかもしれない。ストーリーに関係ありそうなのは、「完全味覚」を持つ少女の登場と、料理人のウージェニーが途中で立ち眩みを起こすことくらいだ。

 その後、ユーラシア皇太子(どこの国のことだろう?)の晩餐会の招待を受けるドダンだったが、その料理に納得できなかった為、逆に皇太子へ返礼の食事会を計画する。家庭料理のポトフをメインにして皇太子を招待するつもりだったが、料理人ウージェニーの体調が悪くなり、、、、。

 日本人の私は、美味しんぼ的に「究極のポトフ」で皇太子を絶句させる展開を予想するが、それらは全て裏切られる。

 ラストも、思わず「えっ!これで終わりなの?」と言いたくなった。中には「金返せ!」と叫ぶ人もいるかもしれない。

 当作は、そんなことより料理のシーンや、仲間を招いての二人のガーデンウエディング等、各シーンをしっかり味わうことが大切なのだろう。

 最後にウージェニーは、ドダンに「私は、あなたの妻?それとも料理人?」問いかける、果たしてドダンは、あっさり「料理人」と答えるのだった。それだけ二人の料理を通じての信頼関係が厚いということだろうけど、最後まで予想を裏切る作品だと思った。