ガッパと並ぶ怪獣映画の珍作 松竹「宇宙大怪獣ギララ」 | 映画と音楽のある生活

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 実は、「ガッパ」もギララも子供の頃に映画館で見た。子供ながらも、この両怪獣が「東宝作品」で無いことは理解していたと思う。

 今回、YouTube公式サイトで1月18日まで無料公開とのことで再視聴した。まず、驚くのはギララが登場するまで45分もかかっていることだ。1.5時間の作品で怪獣の登場が半分以上経過しているとは子供は眠たくなってしまうのではないか?

 前半は本格的なSF作品を目指したのか、ロケットや宇宙ステーションのシーンが多い。目を引くのは、日本語を見事に話す(実は吹き替えらしいが)外国人女性と、美形の日本人女性だ。外国人女性は、イーデス・ハンソンの若い頃かと思えば、ペギー・ニールという米国人の女優さんらしい。この方は、これも映画館で見たが、ソニー千葉と「海底大戦争」という半魚人の改造人間が出てくる作品で共演している。もう一人の日本人女性は「西野バレエ団」出身で、金井克子・由美かおる・奈美悦子とユニットを組んでいた方らしい。当時の「西野バレエ団」は、今のジャ〇ーズくらい人気者を輩出していた。

 日米の美人女優さんを出演させたのは、子供にせがまれて映画館に来たお父さん達へのサービスだったのだろうか?

 作品自体は、特撮場面が東宝作品と比べるとチープな気がする。ラストのギララが車に載せた放射線物質を襲うシーン等、当時も子供心ながら笑ってしまった記憶がある。

 東宝のゴジラ。そして2匹目のドジョウを狙った大映のガメラまでヒットした為、遅れて出てきたギララだったが、ガッパと違うことは、1作で終わりではなく続編で「ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一髪」が41年ぶりに制作されたことだろう。