再評価されるべき名作 ジョージ・レーゼンビー 「女王陛下の007」 | 映画と音楽のある生活

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 父親と見た007の2作目である。(1作目はゴールドフィンガーだった。)小学校3~4年生頃だったと思う。映画館を出た父親は、「あのボンドは、むしろ悪役の顔だ!」と憤慨していた。私がダニエル・クレイグを初めて見た時に「あの顔はボンドじゃなくてスメルシュの殺し屋の顔だ!」と思ったのも親子二代の因縁だろうか?

 今回、改めて視聴すると意外に面白いのでびっくりした。と言うより、かなり正統派の007だと思う。その後、中学校の時に原作を読んだが、当作はかなり原作に忠実に出来ている。2代目ボンドのジョージ・レーゼンビーも「悪役顔」では無くハンサムで長身。紋章院のメンバーとして侵入する時のクラシックなファッションもキマっている。あの、何というのだろう民族衣装のスカート姿もよかったと思う。

 ストーリーは、宿敵ブロフェルドが相変わらず荒唐無稽な世界界征服の計画を立てており、その情報を得たボンドがスイス山荘の秘密基地に侵入して計画を阻止するというもの。その世界征服の計画というのが催眠術をかけた各国の女性にウイルスをバラまかせるというもので、核兵器とかではなくウイルスというのが今風と思えなくも無い。

 それまで、陰に隠れて猫を抱いた姿しか現さなかったブロフェルドがテリー・サバラス演じる生身の姿で出てくる。子供の私でも、この人が「刑事コジャック」なのは直ぐに分かった。

 公開時は、不評だったそうでジョージ・レーゼンビーは当作だけでボンド役を降りてしまう。また、ボンド俳優として唯一のオーストラリア人であった為、ブリティッシュのアクセントが不自然だったという説もある。

 次回作の「ダイヤモンドは永遠に」でショーン・コネリーが1作限定で復帰することになる。私が父親と一緒に見た007も、この次回作が最後で、中学生になった私は「死ぬのは奴らだ」から一人で映画館に行くようになった。

 アマゾンプライムで視聴


ゴールドフィンガー