フリーで超一流の殺し屋なんてリアルにいるのかな?「ジャッカルの日」 | 映画と音楽のある生活

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「ジャッカルの日」は、フレデリック・フォーサイスをこの1作で世界のベストセラー作家にした小説だ。私も発売された頃に原作を読んでいた。

 フランスの過激派が、警察に完全に行動を抑え込まれた為にテロ活動が出来ず、最後に殺し屋を雇ってシャルルドゴール大統領の暗殺を計るというもの。ドゴール大統領は、1969年に天寿を全うしているので、そもそも、この暗殺計画が失敗に終わることはネタバレしている。それでも、最後まで読ませるのはジャーナリストであるフォーサイスのリアリティ溢れるストーリーだからだろう。

 映画を見たのは、かなり後になってからだが、これも面白かった。ジャッカルもルベル警視も当時としては無名の俳優を使っていたそうだけど、(私が知らなかっただけかもしれないが。)原作のイメージにぴったりだと思った。

 ドゴール大統領の暗殺を依頼されたイギリス人の謎の殺し屋ジャッカルは、暗殺用のライフルを発注する。小説では、このライフルがどんな形をしているのか想像するしかなかったが映像化してくれると良くわかった。

 細身で分解でき、最終的には松葉杖にカモフラージュして演説会場に持ち込むのだが、このライフルをスイカを的に試射するシーンは映画ならではの見せ場となっている。

 暗殺計画を察知したルベル警視は、非常線を張ってジャッカルを捉えようとするが、ジャッカルは車の塗装を変えたり、自分をかくまってくれた人間を非情にも殺して演説会場のドゴール大統領を射程に入れる。はたして、ジャッカルの銃弾は、、、、?

 私なんかは、この小説を読むとゴルゴ13を連想してしまう。ただ、ゴルゴ13は、デューク東郷なんていうバレバレの偽名を使っているし、顔は世界の諜報機関に知られているから、普通ならどんな超人でも3日と生存できないと思う。

 最後に007のファンとして余談を書かせてもらうと、ジャッカルを演じた俳優さんは「ネバーセイ・ネバーアゲイン」でショーン・コネリーの上司役を、ルベル警視を演じた俳優さんは「ムーンレイカー」で悪役のヒューゴ・ドラックス卿を(これは、顔を見た時にすぐに分かった。)演じている。