初期の園子温作品 「自殺サークル」 | 映画と音楽のある生活

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 「冷たい熱帯魚」を見て園子温監督が好きになった。大体の作品を見たつもりだったが当作は未視聴だった。やはり、実際に起きた集団自殺事件からインスピレーションを得たのだと思う。

 冒頭、新宿駅で50人余りの女子高生が列車に飛び込み自殺をする。これが、いきなり血は飛び散るしエグイシーンから始まる。学校もバラバラでお互いの関係性が不明な為、警察も捜査を始める。その裏には、自殺を誘導するする不気味なウェブサイトがあった、、。

 中心となって捜査する刑事が石橋凌と長瀬正敏だが、長瀬正敏が若いのにびっくりした。ちなみに当作品は2002年に制作された。

 当作の石橋凌を見ていると捜査をしていた刑事が逆に精神を病むあたりが、「呪怨」を連想してしまう。宝生舞とさとう珠緒が看護師役で登場する病院のシーンも関係ない警備員が巻き込まれる場面が、やっぱり「呪怨」だと思った。

 当作のカテゴリーとしてはホラーなんだろうけど、グロいシーンは連発するが、怖いかと言えば怖くはない。

 後半にギタリストのRollyもサイコな役で出てくるけど、彼がこの事件の黒幕ではなさそうだ。少女グループの「デザート」と事件の関連性も、ほとんど説明らしい説明はされないままラストを迎える。続編の「紀子食卓」の方が、もう少し分かりやすいラストだったと思う。

 当作を見て、それでも爽快感をおぼえる私は、もう立派な「自殺サークル」の会員かもしれない。

 アマゾンプライムで視聴