冷たい熱帯魚 「園子温の猛毒エンターテインメント」 | 映画と音楽のある生活

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 この作品を見て園子温監督が好きになって、全作品をレンタルして見た。エグい作品なので、「何がいいんだ?」と言う人も多いが、私には凄く新鮮に感じた。

 ストーリーは、万引きした娘を保護された気弱な熱帯魚店経営の男性が、「でんでん」扮する大手熱帯魚店の経営者に家族ごと支配され殺人の死体処理の手伝いまでされられるというものだ。

 実際に起こった「愛犬家連続殺人事件」にインスパイアされて作ったらしい。園監督は、次作の「愛の罪」といい実際の事件を参考に作品を作ることが多い様だ。

 特筆すべきは、「でんでん」の怪演である。でんでんは、当初「お笑いスター誕生」で一人芝居を披露していたが、やっぱりお笑い出身の人は独特の性格俳優になれる人が多いみたいだ。

 ラストは妻(神楽坂恵=後の園子温夫人)を寝取られた主人公がブチ切れて「でんでん」もその愛人も逆に殺してしまう。それをスッキリしたというべきか、救いようもないラストというべきは、それぞれの感じ方におまかせするしかありません。