男はつらいよ 寅次郎紅の花 「渥美清の遺作」 | 映画と音楽のある生活

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主に映画と昔聞いたレコードの感想などを書いています。

 毎週土曜日のBSテレビ東京の視聴も一時期途切れておりましたが、

久しぶりに見ました。この頃になると恋愛の実質は「満男シリーズ」

というか甥の満男とゴクミのカップルに移っている。

 今回のマドンナはシリーズ最多出演となる浅丘ルリ子です。

主演の渥美清は、末期のガンを患っており、自身も周りのスタッフも

当作品が最後かもしれないと意識していたと思われます。浅丘ルリ子は監督にラストで二人を結婚させて欲しいと希望しますが、そうしなかったのは山田洋次監督のダンティズムだったのかもしれません。

 ストーリーは満男が結婚をするゴクミの花嫁行列を車で妨害して

失踪することを中心に、逃げ出した先の奄美で偶然出会った寅次郎とリリーの関係を絡めて進んでいきます。

 柴又に帰っても喧嘩をする寅次郎とリリーですが、最後は二人

仲良く奄美大島に帰っていきます。待たされたタクシー運転手に

クレイジーキャッツの犬塚弘が出ているのは、特別出演でしょうか。

 後日譚として、リリーがサクラに宛てた手紙の中で、また些細なことで

喧嘩して、寅次郎は家を出て行ったと結ばれています。

 

 直近で起こった阪神淡路大震災のエピソードも挿入されています。