Wの悲劇「アイドルから大人の女優に成長した作品」 | 映画と音楽のある生活

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 84年のカドカワ映画。薬師丸ひろ子が20歳で大学2年の時に撮られたもので、この作品でアイドルから大人の女優に成長したと言われている。

 私はカドカワ映画は、もう見ないと言いながら、「セーラー服と機関銃」>や「時をかける少女」がそれなりにおもしろかったので、一連の薬師丸&原田知世の映画は全て見ていた。

 Wの悲劇は、その中で最も良かった作品と思っていて、今回見返しても同じ思いだ。

 夏樹静子の原作も映画化と関係なく発売当時に読んでいてこれも、大変よくできた推理小説だと思った。映画の中では劇中劇となっているが、ちゃんとトリックのキモとなる部分と真犯人をネタバレさせているのは、サービスなんだろう。

 もし、原作をそのまま映画化したら、こんなにも感動しないと思うけど、劇中劇にして劇団員の薬師丸とその恋人の世良公則との青春映画にしたことが、この作品の一番のポイントだと思う。

 この作品がスクリーンデビューとなった高木美保も頑張っていたと思う。劇中劇となる「Wの悲劇」は一般人の観客をエキストラとして入れて本当に上演したらしく、薬師丸版と高木美保版を両方行ったとのこと。高木美保版の際には、薬師丸が観客へのサービスとして歌を歌ったらしい。

 ラストに薬師丸本人が主題歌を歌うのもお約束で、「Wの悲劇」では作曲をユーミンが担当している。