悪魔のいけにえ「テキサス・チェーンソー・マセカ 田舎に行ったら全員殺された?」 | 映画と音楽のある生活

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 トビー・フーパー監督の伝説的なカルトムービーだ。高校生の時に劇場で見たが、当時住んでいた地方都市では公開されなかった為、京都まで見に行った。

 当時の映画館は、まだ「芝居小屋」のムードが残っており入口にペンキで手描きされた看板が出ていた。オドロオドロしいレザーフェイスの姿が描かれており、「今から何という映画を見るのだろう?」と首を捻ったものだ。

 ストーリーは、ほとんど無いといってもいい。表題にも書いたけど「若者数人が田舎に行ったらワケもわからず順番に殺される。」です。一番ワケがわからず殺されるのは、家に入ったら、レザーフェイスに肉切り包丁で頭を割られた最初の犠牲者だろう。全く殺される理由はなく、ひょっとすると瞬間の出来事なので自分が殺されたということも分からず、体を痙攣させながら絶命していく。

 「田舎に行ったら順番に殺される。」は、その後、13日の金曜日等、同様の作品も作られホラー映画の一つのジャンル(?)として確立したように思う。

 再度見てみると、案外スプラッター度は低いことがわかる。題名のチェーンソーも、実際に肉体を切断する場面は出てこない。

なんとなく、そんな様子が映されるだけである。むしろエンジン音を立てながら、執拗に女性を追いかけるシーンに嫌悪感を覚える。

 この作品には、BGMがない「サスペリア」や「ゾンビ」がゴブリンの恐怖を盛り上げる楽曲を使用しているのと対照的である。

 ひたすら、効果音と予算不足で低品質のフィルムしか使えなかった故の荒い画像がフェイクドキュメンタリーのムードを盛り上げる。

 若手の無名監督が、無名の俳優を使い低予算でヒットさせる。そんな先駆けになった作品だと思った。