個人ブログの方で、シミに対する液体窒素の処置について記載いたしました。
治療について個人ブログ、クリニック公式で栄養素や生化学の解説、というのは、何となく逆のほうが良い気がしてきたものの、もう少し続けていきます。
またビタミンC (以下VitC)のお話の続きです。
初回はVitCの主な作用である、コラーゲンの合成と抗酸化作用について、軽く紹介いたしました。
前回は、野菜から摂れるVitCが調理方法によって減少してしまうことと、その減少がどの程度なのかを紹介いたしました。
前回の補足ですが、日本人のがナニからVitCを摂取しているかの割合は、
と、野菜メインなので、調理でのロスはバカになりません…
もっとも、VitCは工業的に合成可能なため、内服薬やサプリメント、添加物といった形で、身の回りにありふれているかもしれません。
VitC摂取量と、期待できる効果について、軽く触れていきます。
1) 欠乏症にならないレベルとして
・1日6mg~12mg
→コラーゲン合成に最低限必要。足りないと血管がもろくなり壊血病になる。
・1日83.4mg
→代謝で生じる活性酸素を処理するのに必要な抗酸化力を得る。血中VitC濃度 50μmol/L
・1日100mg
→20歳以上の日本人の平均摂取量かつ、VitCの推奨摂取量。上記の1日83.4mgを確実に摂るために、安全マージンとして1日100mgを推奨量としている。
・1日110mg
→妊娠中の女性の、VitC推奨摂取量。(日本人の食事摂取基準(2015年版)概要より)
・1日145mg
→授乳中の方の、VitC推奨摂取量。(日本人の食事摂取基準(2015年版)概要より)
・上記に +35mg
→喫煙者で過剰に必要とされるVitC量。(日本ではなく、アメリカ国立衛生研究所 (NIH)の報告)
2) 美白や美肌、もっとしっかりとした抗酸化といった、さらなる美容や健康を意識したレベルとして
・1日200mg~2000mg程度の内服
→運動、紫外線、傷の治り、有害物質などが気になる方が、医薬品、サプリメントで摂取していることの多いVitC量。効果は次回以降。
3) がんや病原体など、上記と大きく異なる状況で使用するレベルとして
・1日2000mgを大きく超える内服
→血中VitC濃度は、一時的に最大200μmol/L程度までは上がるものの、それ以上には中々上がらない。
・点滴静注でのVitC投与
→血中VitC濃度は、より高濃度になる。アスコルビルラジカルというフリーラジカルとして、酸化的に作用するVitCが増える。
2)に挙げた、VitCを多く摂取した際の、美容や健康の効果については、次回以降に掘り下げていきます。