モンキー・D・ルフィ
物語背景
七武海クロコダイルに仕組まれた内乱を阻止するため、アラバスタへ急ぐ麦わらの一味。しかし道中、ナミは原因不明の高熱で倒れてしまう。
一刻を争う事態の中、船を最高速度で進めるため、一味は医療大国ドラムに立ち寄る。
船を岸につけたものの、ドラムの国民はルフィたちの入国を拒否。
きちんとした説明をする間もなく、発砲されてしまう。
怒ったサンジが反撃しようとするのをビビが止めに入った瞬間、再び発砲された弾がビビをかすめる。
仲間を傷つけられたことで怒ったルフィを、再びビビが止める。
「だったら、上陸はしませんから、医師を呼んでいただけませんか?
仲間が重病で苦しんでいます。 助けてください!!」
甲板に頭をつけ、国民に頼み込むビビ。
その姿を見て冷静を取り戻したルフィに、ビビは言う。
「あなたは・・ 船長失格よ、ルフィ。無茶をすればすべてが片づくとは限らない・・・!!」
「このケンカを買ったら・・・ ナミさんはどうなるの?」
自分も傷を負い、血を流しながら頭を下げるビビの姿と、その言葉に、ルフィは自らの過ちを悟る。
「・・・うん ごめん!!! おれ間違ってた!!!」
そして自らも甲板に頭をつけ、頼み込む。
「医者を呼んでください。 仲間を助けてください。」
その姿を見た国民は銃を下ろし、ルフィたちは無事に入国する。
解説
その状況の中で何が正しいか。ルフィは、そういうものを直感的に見抜くことに長けている。
そして、仲間の言葉にも、素直に耳を傾ける。
自分が間違っていたと分かれば、その非を認め、頭も下げる。
自由奔放で、海賊王になるという絶対にブレない信念を持ちながら、
一方で、その場その場で柔軟な対応ができる、優れたリーダーとしての資質を併せ持つ。
ルフィの柔軟性と信念と決断力は、見習うべきものである。
付け加えると、一国の王女という立場でありながら、仲間のために頭を下げられるビビも、立派である。
プライドだけ高くても、なんの役にもたたない。
ビビもまた、優れたリーダーをしての資質をもっている。
アラバスタでネフェルタリ家(ビビのフルネームはネフェルタリ・ビビ)に仕える配下や、
その国に住む国民が、国を愛する立派な人財である理由も、そこにある。
優れたリーダーのもとには、優れた人財が集まるのだから。