「うまかった ごちそうさまでした」っ・・・てよ』
ロロノア・ゾロ
物語背景
ルフィがゾロと出会ったとき、ゾロは海軍に捕まっていた。理由は、小さな女の子を助けるために、放し飼いにされていた凶暴なオオカミを刀で切ったから。
海軍大佐モーガンの息子、ヘルメッポが飼っていたオオカミだったため、捕まったのである。
食べ物も与えられずに磔にされているゾロのために、
女の子がおにぎり(砂糖味)を作って持っていったが、ゾロは「消えろガキ」と素っ気ない態度。
直後に現れたヘルメッポは、「罪人に肩入れする者は同罪」と言っておにぎりを取り上げ、
味を貶した上に地面に捨てて踏み潰した。
一部始終を見ていたルフィとの会話の最中、ゾロはヘルメッポが踏みつぶしたおにぎりを
「拾って食わせてくれ」とルフィに頼む。
泥まみれで、原型もとどめていないおにぎりを食べ尽くしたあと、ゾロは言う。
『あのガキに伝えてくれねぇか・・
「うまかった ごちそうさまでした」っ・・・てよ』
解説
最初に「消えろガキ」と言ったのは、海軍に見られると女の子に害が及ぶと思ったから。そして、泥まみれのおにぎりを食べ尽くして、「ごちそうさまでした」だけでなく、
「うまかった」まで付け加えるゾロは、文句なしにかっこいい。
ゾロは、相手が子供でも甘やかすことはしない。
だけど、見た目以上に心は暖かく、優しい。
そして、自分にしてくれた恩や好意に報いることを忘れない。
誰かが何かをしてくれたとき、それは自分が思ったものと違うことかもしれない。
欲しかったプレゼントではないかもしれないし、味付けを失敗した料理かもしれない。
その場合、プレゼントや料理そのものに喜ぶことは、難しいかもしれない。
だけど、相手が自分のために選んでくれたプレゼント。
自分のために作ってくれた料理。
その好意、その想いには感謝できる。
相手の「想い」に、
「うまかった ごちそうさまでした」
と言える大人は、かっこいい。