朝、親に連れられて、子供2人が会長の所に来た。
ここで練習させてもらえませんか、と。
その子達の両親は、試合に出しても良い、と言う。
会長曰く、タイヤイ族の子達。
皆さんは、タイ🇹🇭と言えばムエタイ、と思うかも知れないが、今や経済的に豊かになったタイ🇹🇭では、富裕層を中心に、ムエタイ=フィットネスになりつつある。
90年代くらいまでは、貧しい家に生まれた男の子は、僧になるかムエタイ選手になるか、と言われていた時代があった。
貧しい人が沢山いたから、ムエタイ選手になる人も多く、彼らは、戦う事で家族の生活を支えていた。
だから、選手層が厚かった。
が、
今や、経済的に豊かになったタイでは、本当に貧しい人を探すのは難しい。
又、貧しいからと言って、殴られ、蹴られ、身体に良くない事をするムエタイをしなくても他に仕事がある。
親も少し余裕があれば、子供をKUMONなどの塾に通わせている。
だから、本当のムエタイ選手を探すのは難しいと言われている。
そんな中、最初から試合に出してくれて良い、と言う親が、子供達を連れて来た。
しかも、タイの経済の底を支えている、と言われるタイヤイ族(出稼ぎミャンマー人が多い。タイでは、最下層とされている人達)。
子供達と書いたのは、2人、しかも、双子であるから。
今年12歳。
地元の小学生である。
夕方、2人は練習に来た。
直感的に続ければ、強くなる、と思った。
バンテージを巻いてやると、教えてもないのに、ワイ(手を合わす挨拶)をした。
練習させて見たら、2人ともバランスが良い。
「今まで、どこかでムエタイをやってた?テコンドーとかやってた?」と聞くと、
「全く何もやった事がありません。」と。
2人には、
「今まで見た選手の中で一番良い。必ず続けるように。デビュー戦は、8月や。」と言って、リングに上げて写真を撮った。
通いの内弟子、確定。
強くなる。
強くする。
世界を驚かす。
再び始動!