チェーンセーンの街は、朝が良い。
街の東側に、『悠久の大河』と言っても余りあるメコン川が流れている。
側で見ると流れは速いのだが、水量が多い為か、ゆっくり流れているように見える。
夜明け前、空が段々、オレンジ色に染まって行く。
朝の澄んだ空気の中、河畔に出た。
対岸のラオス🇱🇦は、森、森、森の世界。
その森から昇る初日の出を眺める。
幻想的と言ってしまって果たして良いのだろうか。
2023年の夜明け。メコン河に光の回廊。
それにしても、朝日(太陽)自体は、変わらないのだけれど、見る場所、見る時期、見る時の気持ちで、見え方が変わるのが面白い。
太陽は、人の心を映し出す。
初日の出を有り難がって拝むのは、日本人だけか、と思っていたら、タイ人の方も数名、初日の出を眺めに、河畔に来ていた。
振り返ると、空手家Kさんも来ていて、初日の出を浴びながら気功をされていた。
騒々しいカウントダウンの花火よりも初日の出、の自分達であった。
2週間前には、ビエンチャンでメコン川に沈む夕陽を眺めていた。この場所の朝陽は、何とも言えない落ち着きを与えてくれる。
初日の出を眺めた後、川沿いの道路には、沢山の人の列が出来ていた。
何だろう?と思ったら、托鉢に来られる僧侶の一団を待つ、人々の列だった。
高い建物なんか一つもない国境の街の元旦の朝。
都会と違って、経済発展してなくて、お金なんか落ちてない街だけど、落ち着いた雰囲気のある街。人々の信仰心が残る街であった。
延々と続く人の列
ホテルに戻り、空手家Kさんと、ワット チェディルアン前のカフェへ。
カフェと言っても、ピックアップトラック🛻の荷台を改造したカフェである。
ワット チェディルアンは、チェーンセーンを代表するお寺で、同じ名前の寺がチェンマイの堀に囲まれた旧市街のほぼ中央にある。
自分は、お姉さんのやっているカフェ。空手家Kさんは、その隣の兄ちゃん二人がやっているカフェでコーヒーを飲んだ。
自分は、お姉さんから街の情報収集を少しした。
彼女によると、チェーンセーンは、この街の北にあるゴールデントライアングルと異なり、まだまだ、観光客は少ないとの事だった。
自分は、ゴールデントライアングルよりも、この街が好きだ、と言うと彼女は、喜んでいた。
それにしても、観光客の少ない場所で店を出していて、1日どれくらいの上がりがあるんだろう、と考えたが、彼女からは、儲ける為にガツガツ働くと言うより、これをするのが好きだからやっている、と言うような、どことなく、ゆったりしたものを感じた。
急速に発展するチェンマイとは異なり、大河メコンの側で、時間がゆっくり流れているような氣がした。