ヴィクトリア時代の幻視者たち

 

著:ローランス・デ・カール

監修:高階 秀爾

訳:村上 尚子

 

2013年3月20日 第1版第1刷発行

2016年10月20日 第1版第7刷発行

株式会社 創元社

 

 

読了しました。

以前、あべのハルカスで「ラファエル前派の軌跡展」を

見た時に購入した本です。

 

ラファエル前派の歴史についての本です。

各作家や各作品の紹介や解説もありますが、

それ以上にラファエル前派の運動と活動内容、

ヴィクトリア朝における受容を中心に著述されています。

 

巻末の資料集がボリュームもあり、内容も豊富でした。

ラファエル前派の作品は

絵画が取り上げられることが多いですが、

ロセッティやシダルなどの詩が

日本語訳で載せられています。

当時のラスキンとディケンズのラファエル前派についての

論争も当人たちの主張をしっかり掲載しています。

ヘンリー・ジェイムズやドラクロワなどの書簡の引用から

他の芸術家から見た

ラファエル前派の様子や印象に触れられます。

またラファエル前派の影響を大いに受けた

ビアズリーに関しても

その生涯や作品の評価が詳細に述べらえています。

 

掲載されている作品数は多くはないですが、

著者と監修者を中心に批評や論考により

ラファエル前派について美術史の観点から深く知れます。

ラファエル前派や美術史に興味のある方にお薦めです。

 

 

 

その他のラファエル前派の本の紹介です。