Diorama Czechoslovak Legion 1919
(Bestpapermodels)
ジオラマセット・チェコスロバキア軍団
1:144スケール ペーパークラフト
早いもので5月ももう終わりです
第一次世界大戦の陸戦兵器で続けていた5月の製作
最後はBest papermodelsのジオラマセットキットから
「Czechoslovak Legion(チェコスロバキア軍団) 1919」です

チェコスロバキア軍団は、第一次世界大戦の最中
当時は多民族国家オーストリア・ハンガリー帝国の中の一民族であった
チェコ民族・スロバキア民族の民族独立を求める捕虜や亡命者を集めロシアで編成された軍団でした

設立にあたってはハンガリーと戦っていたロシア帝国の思惑が強く
民族独立を掲げチェコ・スロバキア民族を利用していた…とも言える形ですが
チェコ・スロバキア民族の戦意は高く、また軍団が戦果を上げるごとに増えていく賛同者により
チェコスロバキア軍団はロシアの対独・ハンガリー戦線における一大部隊にまで成長します

そんな情勢が変化するのが大戦の中、疲弊したロシア帝国で起きたロシア革命
ロシア皇帝を退位させた共産主義勢力(赤軍)はドイツ・ハンガリーとの戦争を停止し
ロシア国内は旧体制派(白軍)と赤軍による内戦に突入します
民族独立のために戦っていたチェコスロバキア軍団にとってはロシアの内戦に付き合う義理は有りませんが
この当時既にロシア各地に戦闘集団が存在してたチェコスロバキア軍団は赤軍にとっては危険因子、
そして白軍やロシアの共産化を阻止したい連合国にとっては抱き込みたい戦力として無視できない存在となっていました

独立なったチェコ・スロバキア共和国への帰国が第一義の軍団ですが
赤軍勢力下のロシア西部を陸路で突破する事はあまりに危険、
ユーラシア大陸の東端ウラジオストクからの船路でのロシア脱出を目指し
連合国の支援の元(または、その意図を利用しつつ)白軍側の勢力として
チェコスロバキア軍団はシベリア鉄道沿いに東へ進軍、連戦の果てにウラジオストクへの集結を成功させ
船路による祖国への凱旋を果たします。
このチェコスロバキア軍団の脱出支援を名目にした日本帝国のシベリア出兵など
後の歴史の出来事の引き金でもあり、またチェコスロバキア共和国もその後様々な動乱の
舞台となりますが、大国の思惑に翻弄されつつも民族独立を目指し戦ったチェコスロバキア軍団は
と言う訳でキットの方に
チェコのメーカーBestpapermodelsよりセットの形態でリリースされているモデルです
線路を含む細長いジオラマベースにチェコスロバキア軍団がロシアより奪って利用していた
装甲列車Orlik号の砲車、無蓋貨車と装甲車がセットなっています

まずはジオラマベースから製作

建物や凹凸のある地形は有りませんが
レールとその枕木を配置する為中々の作業量

カットした枕木をベースの印刷に合わせて接着し

レールを乗せたら今度は枕木ごとにレール押さえの部品を取り付け


細かいうえに見た目にも大して変わらないので中々苦行

何とかレール押さえを全部付けて
手前の塀を作ります

特に作り方指定されていないので適当に分割して少し雑に作られた雰囲気に


自由配置の木材パーツもベース上にバラバラと配置して完成です

続いて貨車、フラットな荷台のシンプルなデザイン

Bestpapermodelsの小スケールモデルなので足回りの再現も簡易的です


さっくりと完成

続いて装甲車を

キットとしては各車両の名前は明記されていませんが
外見から恐らくジェフリー・ポプラフコ装甲車

アメリカのジェフリー四輪駆動車の走破性能に感銘を受けた
ロシアのププラフコ将軍の命で同車を改造して作られた装甲戦闘車

30両ほどが製造されたようですがチェコスロバキア軍団に渡った車両があったか
までは判りませんでした

最後は一番ボリュームのある装甲列車です

シベリア鉄道沿線で大暴れしたチェコスロバキア軍団が運用していた
走行列車Orlik号、元はロシアが製造した装甲列車ザームレッツ号でしたが
紆余曲折の末にチェコスロバキア軍団が鹵獲、同軍団を代表する戦力となりました

このキットではそのOrlik号の砲車のみが含まれていますが
本来はこれに装甲機関車やドーム型の砲塔2基を備えた大型戦闘機館車などが連なります
戦時中の装甲列車を多くリリースしているBestpapermodelsなので
Orilk号のフル編成もキットも出していたりするのでしょうか、ちょっと探した感じだと
見つからなかったので気になる所

銃眼の着いた貨物車の後半部に砲台が乗っているユニークな車両


銃眼は開口しているのではなくテクスチャでの表現


足回りを作り


最後に貨車に木材を乗せて

完成です

あまり馴染みのない第一次大戦時の東欧の装甲列車なので歴史背景も含めて
なかなか楽しく作れました
5月も終わり区切りも良いのでこれで陸モノ続きに区切りをつけて
6月からはお船を作っていきたいと思います