Russian Submarine Forel 1904s (orel) 1:50
ロシア帝国海軍 潜水艦フォレル
実製作期間は7日くらいで完成しました、日露戦争時のロシア海軍潜水艦「フォレル」号
カバーイラストからは想像しにくいユニークな姿をした小型の潜水艦のモデル、
1:50と大スケールながら実艦も14mそこそこなので30cmに満たないカードモデルの潜水艦キットとしては小振りな完成物です
実際に運用したのはロシア帝国海軍ですが建造はドイツのクルップ社によるもの
後にU-ボートの主要メーカーとなるクルップ社が最初に建造した(ひいてはドイツで最初の)潜水艦でした。
ちなみに「フォレル」とはドイツ語で鱒の意味、記念すべき潜水艦第一号にしては渋いネーミング
もっとも、このフォレルについてはドイツ海軍の要望に基づくものではなく
クルップ社の独自判断によるプロモーション的な建造だったようです
潜水艦黎明期の当時、他国の潜水艦が水上航行用のガソリンエンジン等の内燃機関と水中用の電力モーター併用で
40~50m級の大きさであったのに対してフォレルは動力をモーターのみとして14mという小型化を実現していました。
しかし、水上航行用の内燃機関を持たないフォレルは、作戦海域まで母艦に搭載するか、曳航して投入する必要があり、運用面で大きな制約がありました。
その結果、ドイツ海軍には採用されず、売り込みに失敗したフォレルは、当時潜水艦の導入を急ぎ、世界中から潜水艦を買い集めていたロシアへと売却されます。
この売却はフォレル自体の性能に対する期待というよりも、クルップ社によるロシアへの技術的なデモンストレーションの意味合いが強く、ロシア側はフォレルを通じてクルップ社の潜水艦建造能力を評価。その結果、後に本格的な潜水艦建造契約(カープ級潜水艦3隻)へとつながりました。
一応、対日戦を想定してか極東のウラジオストク港に配備されたフォレルですが、実戦投入の記録はなく、日露戦争後もロシア海軍で主に訓練用として使用されました。
1910年には事故により沈没し、引き揚げられたものの修理はされず、スクラップとして処分されたようです。
というわけで、ドイツ初の国産潜水艦でありながらロシアに売却されたフォレル。
背景を知らずに購入したモデルでしたが、調べてみるとドイツ・ロシア両国の潜水艦史にちょっとした足跡を残す、興味深いマイルストーン的存在の艦でした。
この後ドイツは第二次世界大戦中にやはり超小型の潜水艦、ゼーフントなどを建造・運用しています
同じスケールでは揃いませんがこちらも結構キットが出ているのでいつか作って並べてみたいですね





