Vought F7U-3M Cutlass (Scissors and Planes 3432)1:144
ヴォート F7U カットラス艦上戦闘機 ペーパークラフト
ここ数日冷え込みがきついのと他の事に時間をとられて
なかなか作業が滞りがちです、早く暖かくなってほしいものですね
先日のF6Uパイレートから続いてヴォート社の艦上戦闘機
F7Uカットラスです
保守的、というか大戦中のプロペラ機の延長に過ぎない設計だった
パイレートから一転、戦後ドイツから押収された研究結果などの影響もあり
無尾翼式の非常にラディカルな外観を持つ機体となりました
今日視点でもSFに登場しそうなデザインの戦闘機です
単に奇抜さを狙ったものでなく、高速時の飛行性能を追求されたこの設計によって
同世代の戦闘機を大きく上回る高速性能を獲得
また、この時代ではまだ珍しい油圧式の機体制御を採用するなど
内外共に先進的な機体として完成しました
大きな期待を背負って採用されたカットラスですが
一方で艦上戦闘機として大きな欠陥を孕んでいました
無尾翼構造は高速時の空力に優れる一方で低速時は揚力が不足し
非常に不安定になるという短所を持ちます、特に着陸時には
コンコルドなどに見られるように大きく機首を上げて揚力を確保しながら
降下するという高い操縦技術が求められました
まして艦上戦闘機であるカットラスが着陸するのは狭く短い空母の甲板
大きく機首を上げて着艦すべき空母が殆ど見えなくなる状態での着艦は
無尾翼機の運用経験を持たない米海軍のパイロットにとって非常に困難な物でした
伝統的に無尾翼デルタ機を運用していたフランス軍ですら空母運用機は
通常型機を採用している辺りに無尾翼機と空母は非常に相性が悪いものであった事が
伺えます
かくして戦闘機としては優れた性能を持ちながら艦上機としては致命的な欠陥を持ち
離着艦時の事故が多発したカットラスは運用期間僅か3年
実戦を経験せずして稼働機体の約3割を事故で喪失し未亡人製造機の汚名と共に
退役する事となります
結果としては徒花となったカットラスですが
飛行性能が高いだけでは傑作機足り得ないという教訓を海軍とヴォート社に残し
後年の傑作機F8Uの開発へとつながる事になりました
と言う訳で特徴的な外見と欠陥機エピソードで
特定界隈に高い人気を誇るカットラス
Scissors and Planesシリーズでは新しめのラインナップで
パネルラインなど情報量も多めです
いつも通りのウェザリング表現追加+1:144縮小に加えて
普段はあまり作らない武装も追加、フリーモデルからミサイルを持ってきました
全体のシルエットこそ特異な無尾翼機ですが
胴体部分の作成は通常機と大差なし
切り欠きを入れる部分は余白を残して組立てて形を整えてから切り取った方が
組立てやすいですね
キャノピーも同じく余白ごと曲面を作って形が決まってから
部品を切り出して機首にとりつけ
尾翼下端の膨らみ部分は糊代が細かくて難しそう
こういう細長くて狭い糊代の折り目も
長めの余白をとって折り目を付けてから余白を切ると綺麗に曲げれます
綺麗に出来た…とは言えない
主翼自体は簡単な二つ折り型
ヴァンパイアのブームを取り付ける時と同じ要領で
尾翼の位置を決めやすいようにタブを追加して取り付け
主翼を取り付け、前後に広い主翼なので補強は多めに
着陸脚を製作
いつもながら組立図のないモデルなので何がどこの部品かは
現物やプラモの画像をネットで見ながら適当に
主脚の前後のシリンダーは切り分けて貼るのが正解なのか…?
前述の能書きにあるように機首を大きく持ち上げる独特の
離着陸姿勢から着陸脚がかなり長いのも特徴、長い分だけ壊れやすく
これまた事故多発の原因となりました
脚のハッチを取り付け
主脚の格納庫相当の部分をグレー塗りしておけばよかったですね
最後にミサイルを製作
サイドワインダーとスパローを印刷しましたが
サイドワインダーは細すぎて難しそうなのでスパロー4本ととします
スパローでも1:144だと細いし
1発あたり8枚も補助翼があるのでなかなか面倒です…
爆弾みたいに本体が涙滴型してないだけまだ良いですかね
500ポンド爆弾をゴロゴロぶら下げた攻撃機なんかも憧れるのですが…
と言う訳で完成です
6、7、と作ったので次はやっぱり8ですかね