LADです。今日は、台風一過、最高気温28度と真夏日になりました。いか、長文です。
ものすごい雨と風だったのでしょう。ご近所のお庭の金木犀の花、咲いたばかりなのに全部散ってしました。違う意味での、金木犀の絨毯でした。
自閉症スペクトラムの特性は、色々あります。できることと、出来ないことに凸凹があります。それも、著しくです。
「これだけのことが出来る、これだけしゃべれるのだから、分かっているはず」という、一見したところ、障害に見えない凸の部分があります。
「そんな当たり前のことを知らないの。相手の立場には、全然立てないというか、相手に自分と同じような感覚、考えがあると思っていない」という、情緒障害の凹の部分があります。
これは、自閉症の子の「働きたい」と言えなかった心のうちの話です。
子どもが、企業実習に行っていたお母さんから、聞いた話です。
春・秋の実習もうまくいき、実際の職場の評価も高かったのに、最後の役員面接で、子どもが「我が社で働きたいですか?」との質問に「う~ん、わからない、悩んでいる」といってしまい、落ちたという話を聞きました。
企業の求める答えは「ぜひ働きたい」という、「熱意」の感じられる答えだったでしょう。でも、そのお子さんは悩んでいる理由として、「掃除機かけが、うまくできないので・・・・・」と、いっていたと言っていました。
企業側は、そのお子さんが、掃除機をかけること、ひいては、清掃の仕事自体が嫌だと思ったのだと思ったのでだと思います。
そのお子さんは、その会社に入りたくなかったのでしょうか。清掃の仕事をしたくなかったのでしょうか。いいえ、そうではないことが、家に帰ってから、お母さんが聞き出してわかったそうです。
実習もがんばったし、養護学校高等部を卒業したら、会社で働きたいとお子さんは思っていたそうです。
息子もそうですが、将来の仕事に清掃の仕事を選ぶにあたっては、養護学校入学後に、色々な作業体験をして経験を積み、その中から2年生の校外実習をしていますから、「清掃の仕事」が、本人の希望とずれがあると思えません。
ではなぜ、「ぜひ働きたい」と、素直に言えないのか。詳しく話をきくとお子さんがひっかかっていたポイントがわかったそうです。
それは、「5つの会議室の掃除機かけを、午前中に終わらせてください」と指示されていたのに、終わらすことが出来なかったことです。そのことを、毎日の実習ノートに書き、反省していたそうです。
お子さんの思考は、こうだったと思います。
企業のいう「午前中に掃除を終わらすことが出来ない自分は、この企業で、働くことは、難しいかもしれない。言われた仕事ができないのに、働きたいといっていいのだろうか。いやダメに違いない、入りたいと言って断られるは嫌だし・・・」という事では、ないでしょうか。
私たちなら、面接なのだから、自分の気持ちがその企業に入りたいのなら、まずは、「ぜひ、働きたい」と即答できるのですが、その当たり前のことが、自閉症スペクトラムの人は出来ないのです。
難しい課題ですね、そのお母さんは、次回の企業面談では、自分の気持ち(働きたい)を、まず相手に伝えることが正しい答えだと息子さんに教えたそうです。
「会議室掃除は、練習すれば、午前中にできるようになるか」という質問に、「何回も練習すれば、午前中にできるようになる」と、息子さんは、答えたそうです。
はじめての仕事は、出来なくて当たり前。会社は、出来て欲しい目標を言っているだけで、そこに向かって、仕事をがんばればいいと説明したら、息子さん、すごく納得されたそうです。
自閉症スペクトラムは、「発達凸凹障害」と、言った先生がいらっしゃいました。まさに、その通りのことでした。相談のお子さん、いい企業とご縁があるといいですね。我が家の息子も、どうなるのか、ドキドキします。
【今日のいいとこ探し】
久しぶりの学校で、テンションが高ったようです。実習中に、話したいことが色々あったようで楽しそうだったと連絡帳に書いてありました。
他のクラスに、「鉄友」の子を訪ねていったりしたそうです。久々の体育でもバスケットボールを満喫したようで、普段の学校生活に戻りました。
自閉症という、コミュニケーションの苦手さをもっているのに、人とかかわったり、自分を表現できる息子は、すごいと思いました。
追伸
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