皆様、こんばんは!
お詫び
11/30 23:59に発売開始しましたが、12/1 1:00頃まで、
・本編+ガイドブックの文字数制限に引っかかる
・12/1以降はREQUの新規発売が停止される
この2点により発売開始をせざるを得ない、かつ文章が一部飛んだり化けたり状態で発売開始をし、お一人の方が購入されました。
大変申し訳ございませんでした。
現在はもうなんとかガイドブックの方の文章を(略)という形で削り、ギリギリ本編は削ることなく収まったので解決しております。
改めまして、こんばんは!
REQUサービス終了。
本当に衝撃的でした。これが私がREQUで販売する最後の作品です。
今回は最後にして一番頑張りました。
制作期間は多分1年くらいになります。本編途中で文法表記が変わっていたりと、何かと長期間筆記していました。
それから久しぶりの本格的な床屋(理髪店)作品になります。
擬似小説としても過去最高規模。
ストーリー性はあまりない作品なのですが、個人の感情表現はすごく多く、初めての床屋さん・自然な感想。
それからイメチェンするってどういうことなのか。
初めての体験って好奇心or恐怖心。
沢山問われる中で、私なりの見解で主人公を動かして作れた作品だなって思います。
クロスフェチさんにも、断髪フェチさんにも、床屋フェチさんにも。
断髪小説・擬似小説がお好きな方は楽しめる作品だと嬉しいです。
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また今回は無料部分の文字数オーバーしてしまう関係で、序章の部分はAmebaブログのリンクを貼っております。
そちらから繋げて読んでいただければ幸いです。
全て載せきれずにごめんなさい🙇♂️
ガイドブックの方も本編で多分10万字の制限がかかっているのか、
本当はガイドブックも画像・動画・リンク載せながら全ての文章を載せ切りたかったのですが不可能でした。
そこも読みにくくて大変申し訳なく思います🙇♂️
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今回の作品は、
本編:62242字(行数不明)
ガイドブック:40000字程度?
ガイドブックは画像・動画・リンク等を沢山貼っています。
本編のみの【完読所要時間は100~150分程度】です。
大変長いので、
ゆっくり読める時に楽しみいただければと思います。
さっき澪が座ってた椅子とは違う、もう1つの席に案内された。
靴棚の裏、ステップを上がると、そこは木模様のフロア。
鏡と椅子組み合わせ、セット面は2つ。
入口と待合ソファのある場所よりステップ分段差が高い。
2つの黒い椅子が並んでて、それぞれ貼り付けられてるだけの正方形の鏡。鏡の前は棚状になってて、普段見かけない道具が色々置いてある。
椅子の正面には取っ手があって、さっき引き出しのように出っ張ってる洗面台が収納されてるんだと思う。
洗面台の横にはそれぞれ上側に手前開き、下に横開きの引き出しが付いてた。
私が座った黒い椅子は美容室の物に比べたら低くて大きい。ひじ掛けは腕の長さよりも伸びてて、背面はとても幅広い感じ。
座ったときに背面も座面もソファみたいに柔らかい感じがした。
そして足元には大きなステップ。
足5つ分くらいはありそうで、トレーみたいになっててそこに軽くスリッパ置いた。
椅子に座る前、私はハンドバッグを正面の棚の端側に置いた。隣の澪もそうしてたから。
澪は化粧直しに集中してる。
私もわたしで、おじさんが側にいたし話しかけられる状況じゃなかった。
澪の髪は巻き方とアレンジがすごく上手に出来てて、まるで美容室帰りみたいな感じ。
胸の上くらいまであった髪は、ロブでふんわりした巻き髪になっていた。
黄色ニットと濃い藍色ジーパン。明暗はっきりした難しいコーデにもすごく似合ってて、とても良い感じ。
それから私とおじさんが鏡越しに目を合わせると声をかけられた。
おじさん「お客さんは理容店は初めてですか?」
私「はい」
おじさん「ちっちゃい頃とかも?」
私「美容室しか行ったことがないです。美容室も2年位行ってなくて久しぶりなので」
おじさん「分かりました。女性のお客さんで床屋は初めてで緊張するかもしれないですが、リラックスして力抜いて下さいね」
私「はい」
おじさん「今日はいかがしましょう。シェービング、あとカットもして大丈夫ですか?」
私「予約通りカットもお願いしたいです」
おじさん「一応ここは理容店ですが宜しいんですか?」
私「はい」
おじさん「では今日はどんな感じにしましょう?」
私「えっと、その。床屋で女性のヘアスタイルって…その限りとかあるのかなと思って。どんな感じならできますか?」
おじさん
「特に大丈夫ですよ。上手くはないかもしれんから申し訳ないんだが、一通りはなんでも」
「そうですね。例えば今のこの髪の長さから澪ちゃんみたいに半年分切り揃えるとかもできますし」
「例えば今日こんな感じのイメージにしてほしい、とか写真ありますか?。いつも澪ちゃんはそんな感じに頼んでくれるので」
「それか女性客の常連様だと、何ヶ月分とか何cm分とかでも全然揃えるだけなのでそういった形でも」
私「写真とかは特に決めてきてなかったんです。その澪に、マスターすごい上手い人だから安心して任せられるよって言われただけで」
おじさん
「澪ちゃん、それは株盛りすぎだね〜」
「もし嫌でなければお客さんの髪、少し触らせてもらっても宜しいですか?」
私「あ、はい。大丈夫です」
おじさんは私の毛先の方をゆっくり手に取った。
そして私の方を見ながら、
おじさん
「ちょっと触っただけでも髪質いいですね。うちの奥さんとは全然」
澪「萌音の髪ってすっごく綺麗なんだよね〜」
おじさん「今まではずっとこのロングをキープしてた感じで?」
私「ここ1,2年くらいは。って言ってもその一昨年の4月から結べる長さ、大体このくらいから伸ばし始めて今こんくらいな感じで」
おじさん「お客さんは今は大学生ですか?」
私「大学2年です。それからきっと澪を紹介してくれた華ちゃんとも同い年の同級生なので、その方が分かりやすいですよね」
おじさん「そっかそっか、お客さんも華ちゃんと知り合いなのね。というと今は大学2年生だから、髪を伸ばし始めたのは高校卒業の頃から?」
私「そうです、高校の頃まではもう小学生の頃から、というか覚えてないけどずっと適度に結べるその長さでした」
おじさん「なるほどね」
私「でも私の髪って本当は癖毛がとにかくすごいんです。マスターさっき褒めてくれたけどそんなに良くなくて」
おじさん「そう、ぱっと見はそんな風に見えなかったけど」
私「今は髪質改善で癖毛を大分落ち着いてはいるんですけど」
おじさん「そしたらちょっと髪の根元とかも触らしてもらってもいい?」
私「はい」
おじさんは確かめる様に襟足、それから耳周りとか手ぐしで通しながら確認し始めた。
襟足を触った瞬間に結構険しい顔になったのが分かった。地元でいつも通ってる美容室でされた顔と一緒。
おじさん「前髪とか顔の方も宜しいですか?」
私「はい」
おじさんはそれから前髪を持ち上げて、前髪の生え際とかも確認し始めた。
そこから繋がるもみあげの部分とかも。
おじさん「うん、確かに元はそれなりの癖毛だったんだね。前髪とかは比較的直ってるけどどうしたの?」
私「それは毎日アイロンとかで頑張ってます」
澪「本当に萌音って頑張ってますよ。昔付き合い始めた頃の癖毛とか今よりすごかったから」
おじさん「そっかそっか。髪の表面は髪質改善、それに前髪はアイロンか。お手入れしっかりしてるんだね」
私「これで今は癖毛対策はしっかりやってるつもりなんですけど、今日カットする時に一応知っててもらいたくて」
おじさん
「そうね。癖毛は大事だから踏まえておくけど、今日は長さ揃えるとかくらいなら基本的にその髪質改善で大分癖消えてるから大丈夫だよ」
私「そうですか」
おじさん「でもね、ちょっと気になった所あるんだけど、
おじさんはそう言うと、
私の右サイドのもみあげ辺りの表面の髪を持ち上げて、耳にかけた。
おじさん
「ここね、うねってるのと少し浮いてるのわかる?」
「立って鏡で確認してもらっていいよ」
椅子から立って鏡前の棚に手をかけて確認した。
おじさんの言う通り。
澪も化粧が終わったのか、ちらちらっと見にきた。
澪「ほんとだね」
私「確かに」
おじさん「こことかは気にならない?」
私「んー、襟足の方がちょっと癖残ってるってのは若干思ってたんですけど…もみあげのとこは初めて気づきました」
おじさん
「これ左もなんだけどね。
言うてそんなに強い癖じゃないからいいんだけど、ロングの時に頬の辺りで少し浮いて下に落ちてるなとは思ったから」
「うちはやってないんだけど、お客さんは美容室で縮毛矯正をかけたりはしないんですか?」
私
「縮毛矯正は…。」
「かけるのが手っ取り早いし、襟足の浮き癖とかも直るから気になる場所がなくなるのはいいなって思ってるんですけど、2ヶ月に1回かけるってなるとお財布にきつくて」
おじさん「お財布ね、それは大事やね」
澪「萌音、一人暮らしで大変だから」
私「マスターも襟足の癖がきついのはきっと気づいたと思うんですけど、今のロングならそんなに目立たないしいいかなと思って」
おじさん「そっかそっか」
私「そのうち社会人になったら縮毛矯正とかできるようになると思うし、それまではヘアスタイル限定されちゃうけど仕方ないかなって思ってます」
おじさん「そうだね。でもお客さんはロングも好きなんでしょ?」
私「んー、ここ2年くらいは大学生になってアレンジで色々楽しんだけど、ちょっと飽きちゃったから今日はその鎖骨ヘアまで戻ってもいいかなって思ってるんです」
おじさん「あぁそうなの」
私
「昔1人で地元、って栃木なんですけど、中学入る前に美容室に行った時に、
それこそ澪よりちょっと長いくらいの内巻きのヘアスタイルにしたいって言ったんです」
「10年前ってボブとか澪みたいなロブって流行ったじゃないですか」
おじさん「10年前か。あまり女性の髪型に詳しい訳ではないけど、そういえばうちの奥さんも、あと華ちゃんもその頃に一回短くなったっけな」
澪「マスター、流行ったよすごく。私も憧れたもん」
私
「でもその時って収まりつかないって断られちゃったんですよね。
そりゃ浮いちゃうから当然なんですけど」
おじさん「そうね〜」
私「この浮き癖でできる所がその鎖骨よりちょっと下くらいの長さなので、そしたら今日はそういう感じで切れますか?」
おじさん「ってなると大体10cmくらいって所だけどそれでええの?」
私
「はい。それくらいで」
「なんか話してるうちに答え見つかってよかったです」
おじさん
「えっと、長さはそれくらいで前髪はどうする?
澪ちゃんの時は写真見せてくれたけど、お客さんのはどんな感じにしたいとか」
私「あっ、そうですねー」
私は前髪で検索してから、ちょっと良さげなのをパッと見つけてそれをマスターに見せた。
私「こんな感じにできますか?」
おじさん「こんな感じでいいのね」
私「はい」
おじさん
「あとは、もみあげの浮いてる部分はどうする?
ストレートに落ちる様にしたいなら直すけど、これはこれでこのまま残す?」
私「直すって?」
おじさん「この癖を解消するって感じ」
私「そんな事できるんですか?」
おじさん「お客さんね、髪ここで膨らんでるの勿体無いと思うんだ。だから直すのをお勧めするけどどう?」
私「直せるなら直してほしいです」
おじさん「じゃあここは綺麗に落ちるように手入れするね」
私「そしたら襟足のほうの浮き癖も直ったりしないんですか?」
おじさん
「んー、そこはね〜。
今のこの長さだと勧めないかな。残しておいた方がいいと思う」
私「そうですか」
おじさん「短く切っちゃってもいいなら手入れできるけど、気になるってだけでそこまでうるさくないでしょ?」
私「えっ、もうちょっと短くって切るって、それ以上短くまとまるんですか?」
おじさん
「この髪をバッサリ切ってもいいならね」
「例えばこう、毛先の長さがこのくらいになってもいいなら」
靴棚の裏、ステップを上がると、そこは木模様のフロア。
鏡と椅子組み合わせ、セット面は2つ。
入口と待合ソファのある場所よりステップ分段差が高い。
2つの黒い椅子が並んでて、それぞれ貼り付けられてるだけの正方形の鏡。鏡の前は棚状になってて、普段見かけない道具が色々置いてある。
椅子の正面には取っ手があって、さっき引き出しのように出っ張ってる洗面台が収納されてるんだと思う。
洗面台の横にはそれぞれ上側に手前開き、下に横開きの引き出しが付いてた。
私が座った黒い椅子は美容室の物に比べたら低くて大きい。ひじ掛けは腕の長さよりも伸びてて、背面はとても幅広い感じ。
座ったときに背面も座面もソファみたいに柔らかい感じがした。
そして足元には大きなステップ。
足5つ分くらいはありそうで、トレーみたいになっててそこに軽くスリッパ置いた。
椅子に座る前、私はハンドバッグを正面の棚の端側に置いた。隣の澪もそうしてたから。
澪は化粧直しに集中してる。
私もわたしで、おじさんが側にいたし話しかけられる状況じゃなかった。
澪の髪は巻き方とアレンジがすごく上手に出来てて、まるで美容室帰りみたいな感じ。
胸の上くらいまであった髪は、ロブでふんわりした巻き髪になっていた。
黄色ニットと濃い藍色ジーパン。明暗はっきりした難しいコーデにもすごく似合ってて、とても良い感じ。
それから私とおじさんが鏡越しに目を合わせると声をかけられた。
おじさん「お客さんは理容店は初めてですか?」
私「はい」
おじさん「ちっちゃい頃とかも?」
私「美容室しか行ったことがないです。美容室も2年位行ってなくて久しぶりなので」
おじさん「分かりました。女性のお客さんで床屋は初めてで緊張するかもしれないですが、リラックスして力抜いて下さいね」
私「はい」
おじさん「今日はいかがしましょう。シェービング、あとカットもして大丈夫ですか?」
私「予約通りカットもお願いしたいです」
おじさん「一応ここは理容店ですが宜しいんですか?」
私「はい」
おじさん「では今日はどんな感じにしましょう?」
私「えっと、その。床屋で女性のヘアスタイルって…その限りとかあるのかなと思って。どんな感じならできますか?」
おじさん
「特に大丈夫ですよ。上手くはないかもしれんから申し訳ないんだが、一通りはなんでも」
「そうですね。例えば今のこの髪の長さから澪ちゃんみたいに半年分切り揃えるとかもできますし」
「例えば今日こんな感じのイメージにしてほしい、とか写真ありますか?。いつも澪ちゃんはそんな感じに頼んでくれるので」
「それか女性客の常連様だと、何ヶ月分とか何cm分とかでも全然揃えるだけなのでそういった形でも」
私「写真とかは特に決めてきてなかったんです。その澪に、マスターすごい上手い人だから安心して任せられるよって言われただけで」
おじさん
「澪ちゃん、それは株盛りすぎだね〜」
「もし嫌でなければお客さんの髪、少し触らせてもらっても宜しいですか?」
私「あ、はい。大丈夫です」
おじさんは私の毛先の方をゆっくり手に取った。
そして私の方を見ながら、
おじさん
「ちょっと触っただけでも髪質いいですね。うちの奥さんとは全然」
澪「萌音の髪ってすっごく綺麗なんだよね〜」
おじさん「今まではずっとこのロングをキープしてた感じで?」
私「ここ1,2年くらいは。って言ってもその一昨年の4月から結べる長さ、大体このくらいから伸ばし始めて今こんくらいな感じで」
おじさん「お客さんは今は大学生ですか?」
私「大学2年です。それからきっと澪を紹介してくれた華ちゃんとも同い年の同級生なので、その方が分かりやすいですよね」
おじさん「そっかそっか、お客さんも華ちゃんと知り合いなのね。というと今は大学2年生だから、髪を伸ばし始めたのは高校卒業の頃から?」
私「そうです、高校の頃まではもう小学生の頃から、というか覚えてないけどずっと適度に結べるその長さでした」
おじさん「なるほどね」
私「でも私の髪って本当は癖毛がとにかくすごいんです。マスターさっき褒めてくれたけどそんなに良くなくて」
おじさん「そう、ぱっと見はそんな風に見えなかったけど」
私「今は髪質改善で癖毛を大分落ち着いてはいるんですけど」
おじさん「そしたらちょっと髪の根元とかも触らしてもらってもいい?」
私「はい」
おじさんは確かめる様に襟足、それから耳周りとか手ぐしで通しながら確認し始めた。
襟足を触った瞬間に結構険しい顔になったのが分かった。地元でいつも通ってる美容室でされた顔と一緒。
おじさん「前髪とか顔の方も宜しいですか?」
私「はい」
おじさんはそれから前髪を持ち上げて、前髪の生え際とかも確認し始めた。
そこから繋がるもみあげの部分とかも。
おじさん「うん、確かに元はそれなりの癖毛だったんだね。前髪とかは比較的直ってるけどどうしたの?」
私「それは毎日アイロンとかで頑張ってます」
澪「本当に萌音って頑張ってますよ。昔付き合い始めた頃の癖毛とか今よりすごかったから」
おじさん「そっかそっか。髪の表面は髪質改善、それに前髪はアイロンか。お手入れしっかりしてるんだね」
私「これで今は癖毛対策はしっかりやってるつもりなんですけど、今日カットする時に一応知っててもらいたくて」
おじさん
「そうね。癖毛は大事だから踏まえておくけど、今日は長さ揃えるとかくらいなら基本的にその髪質改善で大分癖消えてるから大丈夫だよ」
私「そうですか」
おじさん「でもね、ちょっと気になった所あるんだけど、
おじさんはそう言うと、
私の右サイドのもみあげ辺りの表面の髪を持ち上げて、耳にかけた。
おじさん
「ここね、うねってるのと少し浮いてるのわかる?」
「立って鏡で確認してもらっていいよ」
椅子から立って鏡前の棚に手をかけて確認した。
おじさんの言う通り。
澪も化粧が終わったのか、ちらちらっと見にきた。
澪「ほんとだね」
私「確かに」
おじさん「こことかは気にならない?」
私「んー、襟足の方がちょっと癖残ってるってのは若干思ってたんですけど…もみあげのとこは初めて気づきました」
おじさん
「これ左もなんだけどね。
言うてそんなに強い癖じゃないからいいんだけど、ロングの時に頬の辺りで少し浮いて下に落ちてるなとは思ったから」
「うちはやってないんだけど、お客さんは美容室で縮毛矯正をかけたりはしないんですか?」
私
「縮毛矯正は…。」
「かけるのが手っ取り早いし、襟足の浮き癖とかも直るから気になる場所がなくなるのはいいなって思ってるんですけど、2ヶ月に1回かけるってなるとお財布にきつくて」
おじさん「お財布ね、それは大事やね」
澪「萌音、一人暮らしで大変だから」
私「マスターも襟足の癖がきついのはきっと気づいたと思うんですけど、今のロングならそんなに目立たないしいいかなと思って」
おじさん「そっかそっか」
私「そのうち社会人になったら縮毛矯正とかできるようになると思うし、それまではヘアスタイル限定されちゃうけど仕方ないかなって思ってます」
おじさん「そうだね。でもお客さんはロングも好きなんでしょ?」
私「んー、ここ2年くらいは大学生になってアレンジで色々楽しんだけど、ちょっと飽きちゃったから今日はその鎖骨ヘアまで戻ってもいいかなって思ってるんです」
おじさん「あぁそうなの」
私
「昔1人で地元、って栃木なんですけど、中学入る前に美容室に行った時に、
それこそ澪よりちょっと長いくらいの内巻きのヘアスタイルにしたいって言ったんです」
「10年前ってボブとか澪みたいなロブって流行ったじゃないですか」
おじさん「10年前か。あまり女性の髪型に詳しい訳ではないけど、そういえばうちの奥さんも、あと華ちゃんもその頃に一回短くなったっけな」
澪「マスター、流行ったよすごく。私も憧れたもん」
私
「でもその時って収まりつかないって断られちゃったんですよね。
そりゃ浮いちゃうから当然なんですけど」
おじさん「そうね〜」
私「この浮き癖でできる所がその鎖骨よりちょっと下くらいの長さなので、そしたら今日はそういう感じで切れますか?」
おじさん「ってなると大体10cmくらいって所だけどそれでええの?」
私
「はい。それくらいで」
「なんか話してるうちに答え見つかってよかったです」
おじさん
「えっと、長さはそれくらいで前髪はどうする?
澪ちゃんの時は写真見せてくれたけど、お客さんのはどんな感じにしたいとか」
私「あっ、そうですねー」
私は前髪で検索してから、ちょっと良さげなのをパッと見つけてそれをマスターに見せた。
私「こんな感じにできますか?」
おじさん「こんな感じでいいのね」
私「はい」
おじさん
「あとは、もみあげの浮いてる部分はどうする?
ストレートに落ちる様にしたいなら直すけど、これはこれでこのまま残す?」
私「直すって?」
おじさん「この癖を解消するって感じ」
私「そんな事できるんですか?」
おじさん「お客さんね、髪ここで膨らんでるの勿体無いと思うんだ。だから直すのをお勧めするけどどう?」
私「直せるなら直してほしいです」
おじさん「じゃあここは綺麗に落ちるように手入れするね」
私「そしたら襟足のほうの浮き癖も直ったりしないんですか?」
おじさん
「んー、そこはね〜。
今のこの長さだと勧めないかな。残しておいた方がいいと思う」
私「そうですか」
おじさん「短く切っちゃってもいいなら手入れできるけど、気になるってだけでそこまでうるさくないでしょ?」
私「えっ、もうちょっと短くって切るって、それ以上短くまとまるんですか?」
おじさん
「この髪をバッサリ切ってもいいならね」
「例えばこう、毛先の長さがこのくらいになってもいいなら」