最果
人間の意地なんてたいしたことはなくて
結局正午を過ぎた辺りで
自分からお兄ちゃんの裾を掴んでしまった。
今朝方、鉢合わせた通路で
お互いにごめん、と体をどけて
ついでに交わしたその一言以来
顔もまともに見れていなかったのに。
そんな自分勝手で子供で
どうしようもない私の手を
彼女はいつも通り自分の手に取ってくれた。
今朝見た表情の無いお兄ちゃんは
そこにはいなかった。
どう謝ろうか
なんて切り出そうかなんて
ずっと馬鹿みたいに考えてたはずなのに
いざとなったら何も出来なくて
ただ、心なしか
いつもより機嫌のいいお兄ちゃんの横を
寒い寒いとくっつきながら
歩くことしかできなくて。
どうしよう
どうしよう
どうしよう
気がついたら
ひとりきりの帰り道
ひとりきりの家
家に置き忘れた携帯
夢中で無機質な音と格闘していた。
思ったことをそのまま
汚いところも
ぼろぼろなところも
ありのままを
なるべくなるべく
お兄ちゃんが見やすいように。
一通り打ち終えたと思ったら意外と短くて。
何度も読み返したけど
きちんと言いたいことは書き留められていた。
そこに一言
返事はいいです、また月曜にと添えて
送信した。
いつもなら事後に
暫くは後悔してるけど
今日はなんだかすっきりした。
アドレスを変更したせいで
久々のメールラッシュに苦戦していたら
何十通と届いてる中に
無いはずの彼女の名前を見つけた。
期待より不安の方が遥かに大きくて
なかなかボタンを押せずにいた。
覚悟を決めると、表示されたのは
私が送ったメールの倍以上ある内容で。
そこには
彼女がどんな人か、性格か
不器用なこと
口下手なこと
あまのじゃくで
素直になれないこと
スキンシップが苦手なこと
携帯を監視されていて
まともに返信できなかったこと
私の自分勝手な意地の張り合いの真意に気付けなかったこと
自分のことで思い詰めないでほしいこと
今まで見たことのない
彼女からの初めての長文メールには
彼女らしい遠回しの謝罪でいっぱいだった。
謝りたくてどうしようもなかったのは
私の方なのに。
その下には、
私を嫌いになることは無いから
私らしくいてほしいと
大好きだからと
綴られていた。
彼女の"好き"に
他意があるのかわからないけど
メールを何度も読み返すうちに
いつの間にか泣いていた。
多分、安堵からの
久々に流した嬉し涙だった。
我が儘でごめんなさい。
私は子供だから
いちいち口にだして
態度で示して
愛情を感じないと
不安で不安で
どうしようもなくなって
すぐに拗ねて
貴方を困らせる。
でも、これからは
もう少し我慢できる気がするから
貴方の隣に
いてもいいかな。
今度こそ返信はいらないと追記があって
一瞬戸惑ったけど
今度はちゃんと直接伝えるから
彼女の言う通りにしておいた。
やっぱり私は
お兄ちゃんが好き
いつか言ってもいい日がくるかな。
今日は会えないけど
明日は会えるから
そしたらちゃんと
ごめんねって言おう。
また明日
おやすみなさい
結局正午を過ぎた辺りで
自分からお兄ちゃんの裾を掴んでしまった。
今朝方、鉢合わせた通路で
お互いにごめん、と体をどけて
ついでに交わしたその一言以来
顔もまともに見れていなかったのに。
そんな自分勝手で子供で
どうしようもない私の手を
彼女はいつも通り自分の手に取ってくれた。
今朝見た表情の無いお兄ちゃんは
そこにはいなかった。
どう謝ろうか
なんて切り出そうかなんて
ずっと馬鹿みたいに考えてたはずなのに
いざとなったら何も出来なくて
ただ、心なしか
いつもより機嫌のいいお兄ちゃんの横を
寒い寒いとくっつきながら
歩くことしかできなくて。
どうしよう
どうしよう
どうしよう
気がついたら
ひとりきりの帰り道
ひとりきりの家
家に置き忘れた携帯
夢中で無機質な音と格闘していた。
思ったことをそのまま
汚いところも
ぼろぼろなところも
ありのままを
なるべくなるべく
お兄ちゃんが見やすいように。
一通り打ち終えたと思ったら意外と短くて。
何度も読み返したけど
きちんと言いたいことは書き留められていた。
そこに一言
返事はいいです、また月曜にと添えて
送信した。
いつもなら事後に
暫くは後悔してるけど
今日はなんだかすっきりした。
アドレスを変更したせいで
久々のメールラッシュに苦戦していたら
何十通と届いてる中に
無いはずの彼女の名前を見つけた。
期待より不安の方が遥かに大きくて
なかなかボタンを押せずにいた。
覚悟を決めると、表示されたのは
私が送ったメールの倍以上ある内容で。
そこには
彼女がどんな人か、性格か
不器用なこと
口下手なこと
あまのじゃくで
素直になれないこと
スキンシップが苦手なこと
携帯を監視されていて
まともに返信できなかったこと
私の自分勝手な意地の張り合いの真意に気付けなかったこと
自分のことで思い詰めないでほしいこと
今まで見たことのない
彼女からの初めての長文メールには
彼女らしい遠回しの謝罪でいっぱいだった。
謝りたくてどうしようもなかったのは
私の方なのに。
その下には、
私を嫌いになることは無いから
私らしくいてほしいと
大好きだからと
綴られていた。
彼女の"好き"に
他意があるのかわからないけど
メールを何度も読み返すうちに
いつの間にか泣いていた。
多分、安堵からの
久々に流した嬉し涙だった。
我が儘でごめんなさい。
私は子供だから
いちいち口にだして
態度で示して
愛情を感じないと
不安で不安で
どうしようもなくなって
すぐに拗ねて
貴方を困らせる。
でも、これからは
もう少し我慢できる気がするから
貴方の隣に
いてもいいかな。
今度こそ返信はいらないと追記があって
一瞬戸惑ったけど
今度はちゃんと直接伝えるから
彼女の言う通りにしておいた。
やっぱり私は
お兄ちゃんが好き
いつか言ってもいい日がくるかな。
今日は会えないけど
明日は会えるから
そしたらちゃんと
ごめんねって言おう。
また明日
おやすみなさい
稚拙
意地張って
目を反らして
逃げて逃げて
弱い私は
結局泣いた。
自分以外の誰が悪いわけでもないのに
汚くて
どうしようもなくなって
拭いきれない自己嫌悪に
押し潰されて
それでも素直になれなかった。
子供みたいにむきになって。
どうしても貴方の方から
私を必要としてほしかった。
貴方が選んで
貴方の隣に置いてほしかった。
ごめんなさい。
素直じゃないのはあなたも同じ
そんなのはよくわかってるから
貴方が私に話しかけようと
無い話題を必死に探して
タイミングを見計らって
言葉を選んで
やっと私に話しかけたのも
知ってた。
知ってたのに、
また知らない振りをしてしまった。
もっと私を必要としてほしかった。
あわよくば
他の子なんて見ないで
なんて
さっき落ち込んだばかりなのに
もうそんなことを思って
また自分を嫌いになった。
汚い
汚い
どうしようもない
どうにかしなきゃ
私はいつか
自分の嫌いな私を
どうにかしてしまう
だからそうなる前に
誰かに
できれば
貴方に
私を側に置いてほしかった
かけらでも
必要とされる断片がほしかった
私を好きでいてほしかった
ほしかった
願望
願い
望み
伝わることはない
明日彼女に
どんな顔をして会えばいい?
また話しかけなかったら
さすがにあっちも曲がるかな。
そしたら私は
謝れるのかな。
素直になれるかな。
また明日
目を反らして
逃げて逃げて
弱い私は
結局泣いた。
自分以外の誰が悪いわけでもないのに
汚くて
どうしようもなくなって
拭いきれない自己嫌悪に
押し潰されて
それでも素直になれなかった。
子供みたいにむきになって。
どうしても貴方の方から
私を必要としてほしかった。
貴方が選んで
貴方の隣に置いてほしかった。
ごめんなさい。
素直じゃないのはあなたも同じ
そんなのはよくわかってるから
貴方が私に話しかけようと
無い話題を必死に探して
タイミングを見計らって
言葉を選んで
やっと私に話しかけたのも
知ってた。
知ってたのに、
また知らない振りをしてしまった。
もっと私を必要としてほしかった。
あわよくば
他の子なんて見ないで
なんて
さっき落ち込んだばかりなのに
もうそんなことを思って
また自分を嫌いになった。
汚い
汚い
どうしようもない
どうにかしなきゃ
私はいつか
自分の嫌いな私を
どうにかしてしまう
だからそうなる前に
誰かに
できれば
貴方に
私を側に置いてほしかった
かけらでも
必要とされる断片がほしかった
私を好きでいてほしかった
ほしかった
願望
願い
望み
伝わることはない
明日彼女に
どんな顔をして会えばいい?
また話しかけなかったら
さすがにあっちも曲がるかな。
そしたら私は
謝れるのかな。
素直になれるかな。
また明日