近距離恋愛 -2ページ目

矛盾

何かをしようとしてるのに
何かを伝えようとしてるのに



不器用な貴方からの
いっぱいいっぱいの無言の合図
気付いてないと思った?
自意識過剰だと言われても構わない
根拠のない確かな確信


貴方の方から
スキンシップが無いのは
仕方ないと思う
ちゃんと出来ない理由を
伝えてくれた
次の日は
恥ずかしいのを無理して
抱擁もしてくれた
この先も
私を拒むことは絶対にないと
そう言ってくれた
それだけで満足だった


それなのに、

なんで、


私から歩み寄っても
何もしてくれないの?
何かを言おうとしてたんじゃないの?
私の方からくるのを
待ってたんじゃないの?
今だってほら
言葉を詰まらせて
手だって
じれったく触れ合わせるだけで
それは
いつもよりくっきりとした
意識のあるものなのに
繋いではくれなくて
抱き着いても
振りほどくことは
しないくせに
どこと無く落ち着きがなくて
私がいなくなっても
追いかけてこないのに
戻ってみれば
帰りを待っていたような
顔をする

いつもとは違う貴方

反応が薄い
拒絶はされない

どうしたらいいのかわからない



明日はいつも通りのお兄ちゃんかな
結局、手
繋げなかったな
明日はどうかな
繋げるといいな


独り占めしたいなんて
言わないから
せめて私の居場所を
奪わないで



また明日

道程

昨日で面談期間もとい早帰りも終わり。
私とお兄ちゃん、友人二人と
カラオケに行ってきた。

私の移動手段は徒歩だから
自転車を持つ他の三人には
先に行っててほしいと促したけど
お兄ちゃんだけは
「? なんで?着いてくよ」
と、着いていくのが当たり前みたいに
他の二人に先に行くように言った。
口では遠慮してたけど
やっぱり嬉しくて。
お兄ちゃんに引っ付くようにして
駐輪場へ向かった。

お兄ちゃんと二人になると
二人とも口下手で
あまり会話らしい会話ができないのは
いつも通りだったけど
随分と空気が暖かくなったのは
気のせいじゃないと思う。

あのメールを送ってから
出来るだけ構ってあげようと
不器用な自分と奮闘する
お兄ちゃんの意思がよく分かる。
お兄ちゃんは八方美人じゃないし
嫌いな子にそんなことしないよね。
ネガティブな私が
珍しく期待しちゃって。
自分は嫉妬深いです、困らせてごめんなさい
なんて
遠回しにでも言える人は
滅多にいないだろうけど
今は伝えて良かったと
思えてる。

逆に、

その不器用なお兄ちゃんが
そこまでしてくれる私は
お兄ちゃんにとって
どんな存在なんだろう、と
希薄な可能性に貪欲になる自分に
駄目だ駄目だと言い聞かせた。

どんどんどんどん求めたら
どんどんどんどん離れちゃうから
もうあんな思いはしたくないから
必死に思いをかみ殺して
今ある時間を大切にしようと努めた。
ただでさえ、
無理をさせてるのかもしれないのに
謝ったつもりが
私のわがままで振り回してるのに
これ以上は
重いだけ。

私は自分の意志通り
今自分の隣を
歩いてくれている彼女との
限られた時間を
大事にした。


30分の道程を経て
やっと目的地に着いた。
私も
彼女に劣らず素直じゃなくて
二人きりの気恥ずかしい雰囲気の中
ありがとうと一言言うのも
一苦労で。
やっぱりそれは
彼女も同じだったらしく
短く「うん」と応えた。

携帯を忘れた私と
電池一つのお兄ちゃんに
呆れながらも貸してくれた
友人の携帯から
もやしもんのオープニングが流れて
苦笑しながら
これからの楽しい時間に
期待した。

合流すると
早速入れて入れてと
勧められて
お兄ちゃんは最初から
骸さんのキャラソンを入れていた。
やっぱりエロい声だなあと
関心しつつ
「(その声)どこから出てるの?」と聞くと
笑っていた。
私はというと
まともな曲を入れるはずもなく、
"エージェント夜を往く"
案の定お兄ちゃんから
「どこからでてるの?」と
突っ込まれた。


今日のメンバーは
アリプロ好きと
テニプリ好きと
リボーン好きと
…電波。(申し訳ない)

本当は
アジカンが好きだったりもするんだけど
声音からそっち系の声なので
選曲は専ら
電波かエロゲかアニソン。

(´・ω・`)

お兄ちゃんの手前、
ここは歌うかどうか
迷うべきなんだろうけど
ここは理解者(ヲタク)だらけのカラオケ。
お兄ちゃんがお兄ちゃんで
本当によかったと思う。


途中、お兄ちゃんが
ヒバツナソングと言って歌ったロマンスが
本当にかっこよくって
ドキドキして
自分のために歌われたらいいのにって
思ってから
馬鹿みたいって自分を笑った。

それからお兄ちゃんが
キスしてとか抱きしめてとか
そんな歌詞を歌うたびに
ドキドキしていた。

友達がいたから
自重してたけど
我慢できなくなって
たまに頭をコツンとすると
それにお兄ちゃんは
自分の頭をのせてきて
安心とうれしさで
またドキドキした。
おでこくっつけたのなんて
いつ以来だろう。

選曲のときが
1番楽しかったなんて
みんなには言えないけど。

帰りは
門限の厳しいお兄ちゃんを
先に帰らせて
同じ方向の友人と帰ってもらった。
そこはやっぱり
お兄ちゃんに送って欲しかったけど
そこまでわがままは言えなくて。
その当人は、
恋人に見えるから危なくないなんて
呑気なことを言っていて。
言うまでもないけど
私は少ししょんぼりした。

私はお兄ちゃんが好きなのに。

カマをかけたんだとか
自分で言ってショックを受けてたりとか
いろいろ考えて
自分を納得させた。
だってこんな一日の終わり方、
悲しすぎる。


あと4時間したら
お兄ちゃんに会える

我慢、
我慢。

最近手、繋いでないな
今日は繋げるかな


また後で。

進展

どうしても早く会いたくて
気がついたら早足になっていた。

気を紛らわせるために
携帯を弄りながら歩いていたのに
体は歩くことに夢中で
いつもと同じ電車なのに
学校に着いたのは
いつもより10分も早くて。


校門前で
なかなか横断させてもらえなくて
じれったいのを我慢していたら
反対側から
お兄ちゃんの姿が見えた。
でもお兄ちゃんは
考え事をしているみたいに
難しい顔をしながら
私の横を通り過ぎていった。

それから
特に会話もなくて
不安ばかりが煽られて
目の前に姿が見えるのに
触れる勇気がなくて
一昨日もらったメールを
何度も確認した。

苦しくて
泣きそうになって
それでも周りには
元気に振る舞っている自分に
馬鹿みたいと自嘲した。


休憩時間。
なるべく前を見ないように
弱い自分を庇うように座っていると
背中に重みを感じた。
私が振り向けないように
きつく抱きしめられていて
それがとても心地良くて。
顔は見えなくても
私の大好きな手があって匂いがして
私を安心させるにはそれで十分だった。

それから緩まったその手を
自分の手にとって
横目に顔を見れば
やっぱりお兄ちゃんがいて。
でも私が思っていた以上に
恥ずかしさを隠すように
笑っていた。

私はすぐに「ごめんね」と
続けて「怒った?」と告げた。
返ってきた言葉は「怒ってないよ」と優しいものだった。

お兄ちゃんなりに
絡む理由を探していたのか
楽しそうに
今週のジャンプの話をしてくれた。
まだまだ綱吉には敵わないなぁと
心の中で苦笑しながら
最初はネタバレになるから、と
遠慮がちだったお兄に
いいから、と促して
楽しい時間を共有した。

途中で
私の体に回してる手を弄びながら
「胸当たってる」なんて
わざとらしく言うお兄ちゃんに
「お兄ちゃんも」と言って
頭をすりすりしてやった。
なんだか懐かしいやりとりに
思わず顔が綻んだ。

名残惜しく離れるその手に
ああ、やっぱり私はこの人が好きなんだ
なんて思いながら
休憩は終わった。


帰りもいつも通り
お互いに意識しない振りをして
手を触れ合わせながら
家路はまったく違うくせに
校門まで一緒に歩いた。
暫く立ち話して
校舎内ですれ違ったばかりの
級友との再会と
尽きない話に
お互い苦笑して
また名残惜しく
別れた。

嫌われてなかった。
怒ってなかった。
それどころか
貴方から構ってほしいなんて
私の無言のわがままを
貴方は気付かなかったと詫びて
自ら不器用だからと
主張していたのに
ちゃんと聞いてくれた。


なんだか申し訳なくて
情けなくて
自分のことばっかりな
子供の自分に
嫌気がさして

同時に

そんな私に
文句も言わずに
一緒にいてくれる貴方が
もっと好きになった。


明日はお兄ちゃんとカラオケ(^-^)


また明日