連休中は泊まりの旅行こそ行きませんでしたが、日帰りの山歩きには行きました。
京都市内から見える山では最高峰となる愛宕山(924m)です。
愛宕山はこれまで何度も登っています。山頂には『火伏せの神』として信仰を集めている愛宕神社があり、”愛宕山へは月参り”といわれるほど、昔から京都ではよく親しまれた山としておなじみです。
京都駅からJR嵯峨野(山陰)線に乗り換えて、嵯峨嵐山駅で下車し、新丸太町通を西へ少し歩いた嵯峨小学校前バス停から京都バスに乗車、登山口の清滝をめざします。
ちなみに愛宕山に前回登ったのが、一昨年のちょうどこの時期です。その時の山登りの様子は、過去に投稿しています。
さて鳥居のある登山口を過ぎて、いよいよ山頂の愛宕神社を目指して登りにかかります。
同じ京都市内からよく見える、おなじみの比叡山との大きな違いは、山頂へ行くための交通手段が無いということですね。
京都側と大津側の両方からケーブルカーが通じ、自動車有料道路もあって京都駅直通のバス路線まである比叡山と対照的に、徒歩でしか山頂を踏めない(標高も比叡山より少し高い)のです。
この看板にあるとおり、”自分で登って下山する他、手段無し”という警告は、誇張でも何でも無いのです。
登り始めから五合目までは、勾配の連続で少し嫌になってきます。それでも登山道というよりは、参道なんですね。石段や石畳、場所によっては、コンクリート舗装も部分的にあって、しんどくはあっても歩きやすいです。
この辺りまで登ってくると、下界との気温差もあって少し肌寒く感じてきます。
七合目付近で、水尾からの登山道との合流地点を過ぎると、もう一登りで愛宕神社に着きますが、今回は七合目から少し寄り道をして『ケーブル愛宕駅跡』を初探訪してみます。
本登山道から10分ほど平坦な道を進めば、愛宕山鉄道ケーブル線 旧愛宕駅跡に到着です。
先ほど、愛宕山に登るには徒歩以外に手段は無いと書きましたが、第二次世界大戦前には、ケーブルカーが通じていました。
1929(昭和4)年に開業しましたが、戦時中の1944(昭和19)年2月に不用不急路線として、金属供出のために廃線となり、戦後も復活することなく、わずか15年の営業期間と短命に終わった路線です。
ケーブルカーの駅で、斜面に建てられており、地下一階部分が機械室で動力設備があったと思われます。
ただ建物自体はさすがに経年劣化が進んでおり、強度面でも安全とは言えず、危険な状態と思われたため、内部まで入らず外側からの撮影に止めておきました。
さて元来たルートを引き返し、さらに登山道を進むとようやく愛宕神社の境内に着きました。
山頂付近は、連休中頃時点では桜が咲いており、初夏と言うよりも春でした。
愛宕神社のシンボル『銅鳥居』をくぐれば、本殿に到着です。
(後半に続く)