欲動 | 今日も映画馬鹿。

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杉野希妃 第二回監督作品 



欲動



 を観て来ました。













2014年釜山映画祭最優秀新人監督賞を受賞した

アジア・インディーズ映画のミューズと云われている

杉野希妃さんの監督進出第二作目の本作が

来春公開予定の監督一作目の「 マンガ肉と僕 より先に

劇場公開となる形になりました。






釜山映画祭にて主演の三津谷葉子さんと杉野希妃監督











バリに住む妹の 九美杉野希妃 )の出産に立ち会うため

兄の 千紘斎藤工 )とその妻 ユリ三津谷葉子 )が日本からやって来ます。



倦怠期を迎えた夫婦に重い心臓病を抱えた夫の千紘の不安定な心情が

妻のユリとの間に溝を深めて行く過程でのバリ訪問が

ふたりの間にもたらす変化を神秘的なバリを背景して描いて行きます。











「 花宵道中 」でも存在感を示した 三津谷葉子 さんが

あの「 愛の渦 ですら見せなかった全裸での絡みを披露します。





常にピンと張った冷たい空気感の中で描かれる大人の生と性。

死を間近に寂しさと恐怖を隠しきれない夫は妻を拒絶し始め

夫の余命への悲しみをどう受けとめたらいいか分からない妻は不徳な衝動にかられ ...



一度スレ違ってしまった感情は、なかなか元へ戻すことは容易でないと云う現実を

感情を押し殺したような空気感で描く杉野希妃監督の演出は、二作目にして非凡な作家性を予見させます。



本作の終映後の劇場のロビーで帰り際の女性の方が「つまんない映画だった」と連れの方に言っていましたが、

ミニシアター系の作品を見慣れてない方には、それが一般的なこの映画の感想であるのは分かる気がします。



監督一作目の「 マンガ肉と僕 を観た上での比較になりますが

その両者は、全く違う作風であり

杉野希妃監督は、多面的な演出力を兼ね備えた映画作家であることが伺えます。

今まではプロデューサーとして異彩を放ってきたインディーズ映画界のミューズが

これから映画監督としてどういう道を歩んで行くのかが益々気になって来ました。























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