マンガ肉と僕〔 @第27回東京国際映画祭 〕 | 今日も映画馬鹿。

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第27回東京国際映画祭
◼︎アジアの未来 部門◼︎

ワールド・プレミア上映

監督プロデューサー 杉野希妃



R-18文学賞 vol.3
マンガ肉と僕
Kyoto Elegy




94分ビスタサイズ2014年吉本興業劇場公開日未定





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スタッフ

監督/プロデューサー
杉野希妃

エグゼクティブ・プロデューサー
奥山和由

原作
朝香 式

撮影監督
高間賢治

音楽
富森星元



キャスト

三浦貴大
杉野希妃
徳永えり
ちすん
大西信満
太賀
徳井義実






以下、作品概要
第27回東京国際映画祭公式HPより抜粋


作品解説
女による女のためのR-18文学賞の受賞作、朝香式原作の「マンガ肉と僕」(新潮社刊)の映画化。舞台を京都に、女優兼プロデューサーとしてアジア・インディーズ映画界のミューズ・杉野希妃が長編監督初挑戦。

あらすじ
4月の京都。気が弱く引っ込み思案の青年ワタベは、活気に溢れる大学になじめず、孤独な日々を送っていた。一方、同大学の熊堀サトミは、その太ったみすぼらしい容姿から、周囲の学生に嘲笑されていた。そんなサトミを差別することなく接してくれる唯一の存在がワタベだった。その優しさにつけ込んだサトミは、彼の自宅に転がり込み、寄生し、やがてワタベを奴隷のように支配しようとする。そんななか、ワタベはバイト先で知り合った菜子に惹かれていく。また、ふとしたきっかけからサトミの過去の断片を知ることになる。

監督メッセージ
本作は、ある青年が3人の女と出会う8年間の遍歴を描く恋愛映画だ。「女が男に嫌われるために太る」という捻ったモチーフに出会い、そこに現代社会の歪みを投影したいと思った。異性の目を気にして自分を変えるということは、本来の自分らしさを捨てることになるのではないだろうか。では、誰の価値観にも左右されず、自分らしくあるということはどういうことなのだろう。そんなあるがままの自分を受け入れることがどれだけ難しいことなのか、私も知っている。私たちは私たちが生み出す他者への固定観念によって、生き辛くなってはいないだろうか。社会が作る理想は、時に差別を産み出す。そんな食物連鎖のような社会の縮図を描きたかった。

杉野希妃監督プロフィール
1984年広島出身。慶應大学在学中に留学先の韓国で女優デビュー。『歓待』(10)や『おだやかな日常』(12)等、女優兼プロデューサーとして、国内外で脚光を浴びる。東京国際映画祭や台北映画祭で杉野希妃特集が組まれるほか、エジンバラ、ロッテルダムなど多くの国際映画祭に審査員として招待される。初監督作の本作が東京国際映画祭、監督第2作『欲動』が釜山国際映画祭でワールド・プレミア上映される。











昨年のプロデュース&出演作のほとりの朔子に続き

東京国際映画祭に所縁のある 才女 杉野希妃 さんが遂に監督に進出

選んだ作品は、新潮社『 女による女のためのR-18文学賞 』の

竹中直人監督作品の vol.1 自縄自縛の私

金子修介監督作品の vol.2ジェリー・フィッシュ に続く映画化第3弾です。








写真は、25日の初回上映に登壇した(左から)ちすんさん、徳永えりさん、杉野希妃監督











上映前に、杉野希妃監督の舞台挨拶がありました。


杉野監督の挨拶:

今日は朝からありがとうございます。
この作品を観ることを選んでもらえて嬉しいです。

昨年の沖縄国際映画祭がきっかけとなり制作が決まり
私なりにいろいろ考えて作った作品です。







京都を舞台に繰り広げられる

一人の男を巡る

三人の女性との恋遍歴を

ユーモアと残酷さと皮肉を交えて描いていきます。






さて、作品についてですが、

まずオープニングのタイトルロールで嬉しくなりました。

題名、キャスト名、スタッフ名が

デザインされた 極太明朝体 のタイポグラフィで映し出されたのです。

これは、明らかに ” 金田一耕助シリーズ ” を中心とした時代の

市川崑 監督 の影響が伺えます。


いわゆる ↓ こう云う感じ



その辺りの事については、以前書いた

市川崑作品における極太明朝体の美学 』の記事を参照して下さい。



本編終了後に 杉野希妃 監督のQ&Aが予定されているので

その時、この極太明朝体について尋ねてみなければならないと腹に決めました。

なのでソレについては後ほど ...





さて、そもそもタイトルの マンガ肉 とは何?

と自分は思っていたのですが、つまりは ...



マンガの中によく登場する骨付き肉の塊のことなんです。

杉野希妃 監督は、激太りメイクで 熊堀サトミ を演じてもいて

男に媚びない為にワザと太るための主食が、この マンガ肉 なのです。

二人目に同棲する 菜子 を演じる 徳永えり さん 然り

三浦貴大 さん 演じる一見気弱な青年が、


いろんな意味で面倒くさい女性達に翻弄されて行くさまが滑稽で哀しいです。





和楽器を中心にした音楽を昭和の映画の様に被せる手法が

舞台の京都の街の佇まいに斬新に映えるなど

自ら出演もしながら初監督作品にして非凡な才能を示した 杉野希妃監督 の意欲作です。



余談ですが、

ご本人の生い立ち絡みからその実生活での発言に対する

誤解と思われるバッシングが一部の方面から聞こえて来ますが、

これだけ純然たる日本映画を撮る人に言わずもがなのような気がしますが ...





終映後に

杉野希妃監督 が再登壇して

Q&Aティーチインが行われました。

で ... 早速、手を上げてみたら2番目に当たり質問してみました。

「 オープニングのタイトルロールに極太明朝体が使われていて市川崑監督の影響を感じますが
その思いと自らの監督名の一字だけに赤色を施した理由を聞かせて下さい? 」

杉野監督:
これは、あくまでも自分の好みでやりたかったのでデザイナーに頼んだ。
赤文字についてはデザイナーの提案で初めはピンク色だったが、
赤にしたらしっくりきたので採用した。

杉野監督は、まだ30歳ですから市川崑作品の金田一耕助シリーズは
リアルタイムの公開では観ることが不可能なので
後から観たと推測され、つまりは日本映画のきっちり観て勉強してきた証しです。



その他のQ&Aを以下に羅列しておきます。


原作は30ページほどの短編
京都を舞台にしたのは自分のアイデア
英題のkiyoto energyは溝口健二監督の「浪速エレジー」へのオマージュ


キャスティング
脚本書いてる段階からイメージした人選

熊堀サトミ役は
当初、自分で20キロ本当に太ろうと思ったが
実際にそれほどの変化を期待できないのでは?とスタッフに言われ断念

京都の撮影許可を取るのが難しい土地として知られるが、
助監督が京都出身だったので助けられ
観光地ではないと場所を敢えて選んで撮影した

撮影の高間賢治氏など大御所なフタッフに支えられて出来た映画

マンガ肉について
義理の父親からの性的虐待への熊堀サトミの思い
食物連鎖
現代日本の歪みとしての象徴
意外にマンガ肉が一般的でなく
よく「マンガ~肉と僕」に間違えられる
ギャートルズ世代は直ぐ理解してくれた


原作の割合について

主人公が法学部という環境と
菜子が精神を病む設定はない
サヤカは名前だけしか原作にない

三人の女性のそれぞれの物語として構成して

サトミは 過去で ピッコロなどの笛が中心
菜子は 現代で音源は
サヤカは 未来 ピアノと云うみたいに
構成や音楽の配置にも気を配るようにした

ヨーイスタートとカットは自分で言いたかったので演技中も言っていた

監督がいいのだからいいやと云う言い訳が出来なくなった

R18文学賞についての誤解を解くと今年からR18文学賞が変わり
女性の作家の作品なら性にスポットを当てた小説以外も対象となったので
本作は18禁作品ではありません

本作の劇場公開来年の夏頃公開予定

尚、監督第二作目の「欲動」もすでに完成していて
本作よりも先に来月から新宿武蔵野館で公開が決まっている










※ 尚「 マンガ肉と僕 」の予告編は、まだ制作されていないようですので

杉野希妃監督第2作 『 欲動 』の予告編です。























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