四柱推命と占星術の関連性について以前書きました。
四柱推命は地球、占星術は天球のエレメントの循環をそれぞれ見るわけですが、四柱推命が占星術の影響を受け生まれたとは言え、何か似て非なるものと言うか、全然違いますね。
勿論、別の占術なんで当たり前なのですが、それでいて微妙に似ているのが据わりが悪いです。
占星術は12星座があり、12のハウスがあって、そこに基本的な天体が取り敢えず10個、それぞれ異なるスピードで巡ってきます。
ハウスは不動で天体が入らないこともしばしば。
天体が集まる場所をコンジャンクションやステリウムと言って重視。
四柱推命は十干の入る部屋が四つ、十二支の入る部屋が四つの二階建てで、それぞれ時間の流れが異なります。
それぞれの部屋に一つずつエレメントが入り、空き部屋はありません。
しかしエレメント全てに部屋があてがわれるわけではなく、あぶれたエレメントが生まれます。
エレメントが同じか支援する関係のものが集まることを重視します。
と、こうして比較すると、四柱推命と占星術で部屋とエレメントの関係が逆転していることが分かります。
例えるなら四柱推命の命式はカジノのスロット。
占星術のホロスコープは時間無制限の競馬を瞬間的に切り取ったものです。
四柱推命はある意味エレメントが不動で時間の方がそれぞれ柱ごとに異なるスピードで動き、その都度焦点を当てるエレメントが変わります。
占星術は部屋のある空間が不動で、そこをエレメントがそれぞれのスピードで動いています。
別の言い方をすれば、四柱推命は不動の実在しない概念的イデア的なエレメントの並びに対し、時間のポインターが動きます。
占星術はエレメントを備えた不動の実在する銀河空間の並びに対し、天体と言うポインターが動きます。
四柱推命は時間、季節、寒暖湿潤の循環がポイントであり、占星術は銀河空間上の天体位置の循環が重要です。
四柱推命の定める時間とは、年柱が地球が太陽を一周する公転。
月柱が月が地球を一周する公転(ちなみに自転周期も公転周期と同じ)。
日柱が地球が一回転する自転。
時柱が24時間を十二支で割って各々2時間ずつに一巡し、十干もそれに合わせて1日一巡と10分の2進み、五日で振り出しに戻ります。
この時、時柱だけ天体の動きに関連していないようですが、十二支の地支に関しては真昼の6時間が火、真夜中の6時間が水、季節によって移ろう日の出、日の入りを含む朝夕の6時間がそれぞれ木と金なので、2時間でなく6時間区切りで見れば四区分であり、四季を表しています。
四季を五行で分けようとすると数が合わず、十二支の地支は四つある土を他のエレメントのお尻に付けクッションにしてますが、十干の場合はそんなことなくそのまま5元素で回しています。
四つある時間の柱がそれぞれスピードが異なるのと同時に、二階建ての天干と地支の五行の循環ルールの違いも四柱推命の複雑さの原因です。
こうして比較してみると、四柱推命の地球や月の自転公転と占星術の太陽系の天体の公転は、実は役割が同じですね。
四柱推命のエレメントの並びと占星術の黄道十二宮の並びも、非実在と実在の違いこそあれど同じ性質のものです。
エレメントの並びはむしろ不動の空間を司り、動き回る地球や他の天体こそ時間を司るキーパーソンですね。
占星術はまだしも、四柱推命においては(私も含め)一般的にエレメントが循環しているとの認識だったと思いますが、事実はその逆(エレメントは動かず時間を司る天体が動いている)と言うのが今回の目新しさです。
違いは占星術の場合、太陽系の遥か彼方に黄道十二宮があり、天体の公転はエレメントの一巡。
四柱推命は実在する地球や月とは異なる次元(イデア界)に実在しないエレメントの並びがあり、天体の自転公転はエレメントを一つ進めるにすぎない、と言うものです。
この記事の初めと終わりで違うことを言ってるようですが、四柱推命の命式と占星術のホロスコープで不動のエレメントの並びに対し律動する天体現象の切り取り方が異なることがその原因だと考えられます。
命式をホロスコープのように表記すればこの誤解は解けるでしょう。
逆転しているのは部屋とエレメントの関係性でなく、ほぼ同じ性質の現象に対する命式とホロスコープの表現方法でした。
四柱推命、十干十二支の不動かつ非実在のエレメントの並びとは、つまり方位ですね。
ここで方位術に繋がりました。
この場合、動き回る天体、ポインターは我々人間となります。