
ロゼレムの性機能障害について
もともと、メラトニンには性腺抑制作用があり、メラトニン値が上昇すると生殖腺の発達や機能が抑制される。従って長期連用では妊娠しにくくなる(妊孕性が低下する)。
男性では、精子運動機能低下、長期連用でのアロマターゼ活性の抑制も診られる。女性では卵巣機能を低下させる可能性があり避妊薬として試験されていたが、難しかったようである、また小児用のメラトベル顆粒(メラトニン受容体作動性入眠改善剤)ではプロラクチン値増加の注意がある。以下はメラトベルの添付文書である。
一般にロゼレムには血中のコルチゾールおよびテストステロンの濃度を低下させプロラクチン値を上昇させることがわかっており、これらのことから性機能に対して抑制的である。女性患者では時に無月経、乳汁漏出、性欲減退などがみられることがある。以下はロゼレムの添付文書から。
これらのことから、ロゼレムは高齢者向けの眠剤と言って良い。実際、ロゼレムは高齢者に処方されることが多いので実臨床に沿っている。
リエゾンなどで時に看護師に対する性的逸脱行為をなんとかしてほしいと言った依頼が来る。たいてい高齢の男性で、看護師の胸を触ったりするなどである。
この対応が結構難しい。一般的にはプロラクチン値を上げる薬が良いのでドグマチール(スルピリド)やリスパダール(リスペリドン)などを処方されることが多い。プロラクチン値上昇は性機能を抑制しそうに思われるからである。ドグマチールよりはリスパダールの方がより鎮静的なので性的逸脱行動へ直接の抑制効果もあると思われる。
しかしながら、高齢者にリスパダールを続けることは弊害も多い。中長期的にはEPSが出現し誤嚥性肺炎などを起こしかねないからである。
上のリンクカードの記事のようにロゼレムは高齢者の行動を穏やかにする傾向があるし、今回の記事の内容からすれば、性的逸脱行動がある高齢者にレンドルミンやマイスリーが処方されている時、それらをロゼレムに変更することはいくらか治療的ではないかと思われる。
参考

