アメリカにおける新型コロナ肺炎新規死亡者数の減少の謎 | kyupinの日記 気が向けば更新

アメリカにおける新型コロナ肺炎新規死亡者数の減少の謎

 

現在、日本国内では、新型コロナ肺炎は毎日400名前後の新規感染者が出ている。テレビで東京都の新規感染者数が発表されているが、この数字が目立ちすぎて日本全体の感染者数は影が薄い。今日は東京都が206名、日本全体で385名であった。

 

新規感染者の傾向だが、自粛要請前と異なり、若い人たちが多く重症者や死亡者はかなり少なくなっている。実際、今日(7月11日)の日本全体の新規死亡者は1名、昨日(7月10日)は新規死亡者がゼロであった。新規感染者がなだらかに増えているのにこの数字なのである。

 

夜の街の接客業の若者に多く感染者が出ていると言われるが、このくらいの数字だと感染経路的に高齢者の多い病院や施設に感染が及んでもおかしくない。したがって新規感染者に若者が多かったとしても、今後、都道府県を超えて移動が多くなると思われるので良くない傾向と言える。

 

アメリカでは毎日6万人以上の新規感染者が出ている。少し前には4万人と言われていたのに、あっという間に5割増しである。ところが、アメリカでも新規死亡者が減少しているのである。それも大きな減少傾向である。

 

上のグラフは日経のサイトから持ってきているものである。数か国しかグラフにないが、新規死亡者が増加傾向なのはインドと南アフリカである。ブラジルは新規感染者が増え続けているのに新規死亡者は横ばい傾向になりつつある。先進国ではロシアが横ばいくらいだが、イタリアは新規死亡者が激減している。

 

 

このグラフも日経のサイトから。アメリカの感染者数は線形に増えている。ブラジルも同様である。

 

 

これは新規感染者数のグラフである。新規感染者数はアメリカは今も増え続けており、インドや南アフリカも同様である。一方、ロシアは新規感染者数は減少傾向である。イタリアはグラフではほとんど新規感染者がいないように見えるが、それでも214人(7月10日)である。この数字は東京都の新規感染者数に近い。

 

ヨーロッパの新型コロナ肺炎新規感染者数(2020年7月10日)

ロシア 6635

イギリス 642

スペイン 543

イタリア 214

トルコ  1024

ドイツ  395

フランス 504

スウェーデン 475

スイス  88

 

なお、イタリアの新規死亡者は12名となっている。(数値はWHOのサイトから)

 

アメリカの新規死亡者の減少は何を意味するのかをずっと考えていた。日本の場合、感染者が若年化しているので比較的理解できるが、高齢者もいないわけではないので、今後もう少し増え来るのかもしれない。これ以上の大きな感染拡大がないなら、死亡者はさほど増えない可能性もある。

 

アメリカの新規死亡者の減少の理由にはいくつかの可能性があると思われる。

 

〇日本と同様に若い世代の感染者が増えている。

これはすぐにわからないが、今の勢いで新規感染者数が増えているのであれば、やや説得力に欠ける。もともと、アメリカ人は新型コロナウィルスに弱いのもある。

 

〇治療が上手くなっている。

レムデシビルによる治療により死亡率が下がったと言う報道があった。しかしアメリカの医療制度を考えるに、多少薬が効いたとしても、今のような減少傾向になるものかね?と思う。

 

〇新型コロナウィルスが変異を起こし症状が軽症化した。

元々、ウィルスにとって、うまく生き延びるためには致死率が高くない方が良い(過去ログ参照)。もし新型コロナウィルスがちょっと強い風邪に軽症化すると、人類もここまで必死になって治療薬やワクチンを開発しようとはしないであろう。スペイン風邪は2年目に変異を起こし重症化したために終息が早まった部分もある。

 

これは相当にオカルトであるが、ヨーロッパや日本でも同じような経過なので、そういう終息の流れもありえないわけでもないと思う。

 

〇人類はウィルスに適応しつつある。

これは更にオカルトである。進化は実は一般に考えられている以上に速いらしい。世代が代わっていないので進化とは言えないが、環境に応じて、ヒトは強くなれるのである。これは、精神科医をしているとよくそう感じる。

 

例えば、過去ログに疥癬の部屋に入ると、罹患していないのになぜか痒く感じると言う話が出てくる。

 
今の環境は、毎日うるさいくらいにテレビ、インターネットで新型コロナ肺炎の報道がされており、人類の脳内で「新型コロナ肺炎」を疑似体験できているのである。これが治療的に働いているのであろう。つまりバーチャルな体験が免疫系を強化し、なにがしか新型コロナ肺炎ウィルスに強くなれる。そういった意味である。

 

このようなオカルトで相当に飛んでる意見は、kyupinの日記でしか聴くことはできない。

 

そういう風に考えると、世界中の特に先進国で新規死亡者が減少しているのが説明できる。そもそも、新型コロナウイルスが世界中でほぼ同時に軽症化の変異を起こす確率の低さを考えると、同じオカルトでも後者の方がまだマシだと思う。

 

(おわり)