最初はただ疲れていたけど、今は緊張します | kyupinの日記 気が向けば更新

最初はただ疲れていたけど、今は緊張します

引きこもり系の患者さんの精神症状が改善し、非正規雇用で就職、ある程度、時間が経つと、

最初はただ疲れていたけど、今は緊張します。

という話を聴くことがある、これは実に興味深いと思った。

おそらく働き始めた当初は上司や同僚の指示通りできないし、無我夢中でやっているので周りが十分に見えないのである。したがって、日々、疲労困憊と言った感じで、

ただ疲れている。

と言う感想になる。

ところが仕事に慣れてきて、周囲を観る余裕ができ始めると、職場の上司、同僚などがかける言葉や、その人の性格、あるいはコミュニケーション後の残滓のようなものが気になり始めるのである。

したがって、当初は身体的に疲労していたものが、時間が経ってくると精神に疲れを感じるようになる。その結果、ある種の構えが必要になり、

今は緊張します。

といった言葉になるんだろうと思う。僕はその仕事はあくまで非正規雇用で一時的なものなので、精神的に疲労困憊して精神まで悪化させるくらいなら、転職を考えた方が良いと助言している。

その方が精神症状の回復期にはメリットが大きいし、いろいろな職場で働くことで、経験値の蓄積をもたらすことも重視している。

不思議なことに、毎回、数か月ごとに転職していても、ある職場で上司や同僚に恵まれて長く働けるようになる人もいる。重要なのは、真の引きこもりに舞い戻らないことだと思う。特に退職後の就活の時期。

ただし、そのレベルまで回復することが最も重要で、良くなっていないのに焦って先走っても、たいてい良い結果にならない。

精神状況に応じての、巡航速度のようなものがある。

参考
初対面の人には話せるんです
不確実さへの感覚、評価