【公式ブログ】 週刊「神田恭兵」―明日も絶対晴れるっしょ!― -15ページ目

【公式ブログ】 週刊「神田恭兵」―明日も絶対晴れるっしょ!―

俳優・神田恭兵。その日々をちょこっと覗いてみませんか?

8年間この役に携われたこと。
そしてこの作品と向き合えたこと。

本当に幸せです。

頑張ります。

神田恭兵
また通勤時間にブログ。
目の前にとある缶コーヒーの広告があって、そこに坂本龍一さん、三浦知良さん、柳楽優弥さんと存在感が他と違う男たちの横顔が並んでいる。

なんだろう。

写真の力か、それとも彼らの力か、いや二つの相乗効果が、見るこっちの熱い何かを駆り立てる。
こういう横顔になれるのだろうか?


激しく激しく移り変わっていくエンターテイメントの世界の中で生き残っていくことってどうすればいいのか?と凄く考えている。

多分これを読んでいるお客さんよりはちょっと先のミュージカル事情のことに詳しい俺は、自分を含めて大丈夫だろうか?と思うことも少なくない。
多分凄く変わっていく。
そのスピードはゆっくりだけど、激しく変わろうとしている。
それが進化か退化か、はたまた幸せなのか不幸せなのか分からない。
でもそれが世の中だって、昔誰かがやったことをやったって誰も感動しない世の中だって、受け止めて自分もその流れの中で常に流れに敏感に生きていかなきゃいけない。


ただ唯一無二の彼らの横顔のようになりたい。

あぁまためんどくさいことをブログに書いちゃった(笑)まぁわざとだけど(笑)



さてさて、一月以上に及ぶ劇場での時間が始まる。
この仕事をしていればよくあることだけど、どんな気分だろう?と考えてみると、旅行の準備に似ている。
楽屋で必要なもの。

メイクは基本自分でやるから(サイゴンは男はノーメイクだけど←俺の一部シーンを除いて)メイク道具はどうしよう?とか、シャワーのためのバスタオルやらフェイスタオル、シャンプーとか、整髪料、ドライヤー、歯ブラシセット、アップのための道具(ヨガマット、シューズ、フォームローラー、トレーニングウェア)、衣装のアンダーシャツやらタイツやら、非常食、などなど

ほら、こういうの準備するのってワクワクしません?

俺だけか?

あ、ボックスティッシュ、忘れがちです(笑)

{607E5D02-6DCB-4F74-9216-A99C5437F9A2:01}

楽しい最終稽古打ち上げでした!!
8年前の最終稽古で俺は何を考えていたんだろう?

覚えているのは、この役を演じることになって、そのコトの大きさに簡単に言えば落ち込んだ日々と、稽古が始まってからは、何が正しいか分からない。まるで雲を掴むような感覚で芝居というものを探していたなぁということ。

あの時に色んな先輩方に言われた一言一言、実は今でも覚えてます。
例えば照井さんに「もっと胸の下みぞおち辺りで言葉を聞いた方がいいよ」とか小森さんに亡霊のシーンで「何かをやろうとしてはダメ。シンプルにすることで十分に怖いのかもしれないよ」。
これは、俺の中でかなり大きな言葉として心の中に刻み込まれている。

そういえば、毎回現場に行って自分と同じような何も知らない人はいないから、先輩にいつも「どうやって稽古に向き合えばいいのか?」「楽屋でのいかたは?」「舞台化粧のやりかた。」とか全部聞いて教えてもらっていた。

事務所も色々あった時期だったから、自分の先輩がほとんどいないという状況で、必死になっていた。

昨日も、打ち上げの飲んでる途中にとある初帝劇の役者さんが、「自分なんかが帝劇に立って大丈夫なのか、心配でしかたない」という言葉を言っていた。
思わず、「そう思ってるなら大丈夫じゃない?」って言ってしまった。

不安と恐怖と刺激と、、、数え切れない感情の中で舞台という芸術は成り立っている。

そして自信が持ちたくて稽古を必死にやるけど、本番では毎回違うキャスト、違う環境、違う体調。
不確定要素が、たくさんある。

俺も不安で仕方ない。結局はビビりながら袖の見切れラインの一歩外で「今日も自分らしくできますように」と祈っている。

でも一歩その線を乗り越えると、信じられない位に様々な感情の溢れた世界が待っている。



ある意味8年で知ったこと。
芝居はいまだに下手だなって自分のこと。思うし、歌もダンスもまだまだ、、、

でもあの時とは違うものが描けるはず。
そう強く信じて、残りの時間を濃厚に過ごしていこう。