約2ヶ月間に及ぶ稽古の日々。
ポップスミュージカルと言ったらいいのか?正直このタイプのミュージカルには出演したことがなかったので、歌稽古の時から不安…
ただこのビューティフルは日本でのブロードウェイ公演では珍しく、海外での公演の形を基本として作り上げるタイプの上演。
アメリカから演出家のシェリー、振付家のジョイスが来日し、特にジョイスは諦めず踊りが得意ではない僕らドリフターズチームを引っ張り続けてくれました。
気がつけば、2ヶ月の日々はあっという間に過ぎ去り、オープニングナイト。
どうやってこの作品が日本のお客様に受け入れられるのか、緊張の瞬間でした。
僕にとっては、ちょうどM6『Some kind of wonderful』というドリフターズの1曲目が始まった瞬間。未だに忘れない。
足が竦みそうになりながらも、ステージに上がると今まで見たことのない光と闇の広がる世界が見え、その空間の果てしない広大さに、その空間を埋めてみたいという欲求が身体を支配してパフォーマンスをすることが楽しいと感じました。
楽しいと同時に感じる物事が多かったのか、リハーサルでの時間感覚よりも大分長くパフォーマンスをしているかのような感覚が続き、それはそれで言葉では表現しづらい、全てがスローで進んでいくかのような感覚を味わっていました。
そして何よりナンバーが終わったあとの拍手と歓声が忘れられない。
特別な瞬間。
ジョイスはこのままオーストラリアでのビューティフル公演OPENの仕事へ直行。
凄いですね。
僕ら誰もジョイスのダンスの足元にも及ばなかったけど、1mmも諦めずゲキを飛ばし続けてくれたジョイスに心から感謝です。
そして、ここから8月26日まで、ビューティフルに命を吹き込み続けます。
神田恭兵