一人旅行のすすめ その3 | カヌー部日誌

カヌー部日誌

京都大学体育会カヌー部のブログです!遠征レポートや日々の練習その他云々を部員がお伝えします!

お久しぶりです。3回の山広です。

ということでちょうど一年前の一人旅行、完全版を書きます。

 

3日目

朝6時起床。中村駅までダッシュ!まだあたりは真っ暗。6時41分発のバス、江川崎行きに乗り込む。もちろん一人。なぜこんなに早いかというと、このバスは1日に3本、これを逃すと6時間待ちだ(ちなみに日祝日は一本も運行していない)。JRで行くにも北に進むには、一度北東方向の窪川駅まで中村宿毛線に乗って戻らなければならず、さらに北西方向の予土線に乗って愛媛に進むといったふうに、中村、江川崎間だと、乗り換えを入れて3時間弱と非常に面倒なのだ。そのため仕方なく、バスで行くことを選択した。それにしても早すぎる...もうちょっと遅くしたら人も乗るんじゃない?

 中村~江川崎は約70km。バスは四万十川沿いを進む。昨日自転車で沈下橋まで行った道をさらに進むルートだ。この先もっと多くの沈下橋が四万十川にかかっている。上級サイクリストは中村から江川崎までずっと漕ぐようだ。そのため中村で借りたレンタサイクルを江川崎に返すということができるらしい。市街地を進んでいると遠くに中村城が見えたが、ちょうどそれが見えなくなってきた時には右手には山、左手には川、川を挟んでさらに山。長く続く人っ子一人いない道をグングン進む。1時間半ぐらい進んだ頃だろうか。太陽の光が山の中に届き始めたころ、江川崎駅に到着した。ほとんどプレハブ小屋みたいで、小っさな江川崎駅。前日の調べでは愛媛方面に進む次の便は12時と4時間もある。江川崎駅周辺で時間をつぶそうと思っていたのだが、思った以上に何もない。川があり、川沿いに道がそれぞれ一本ずつある。そして道の反対は民家がまばらに、そしてすぐ山。といったようにここまででナンバーワンの田舎。四国山地のど真ん中に来てしまった。さらに寒い。日本一暑い街で有名な四万十市であるが、冬、とくに山の中は本当に寒い。近くにあった温度計を見ると0℃ぴったりだった。寒いし、することがないと思って携帯で情報を集めていると、唯一時間をつぶせそうなことが見つかった。そう。またまたレンタルチャリだ!田舎あるあるではあるが、本当に何もないガチ田舎は、とりあえずチャリだけはある。覚えといて下せえ。昨日乗ったけど...と思いつつ、時間がたくさんあるので今日も自転車に乗ってあたりを散策することに。駅で温かそうにお茶を飲んでいたおばあさん職員に「駅にあるチャリをレンタルしたいんですけどぉ」と尋ねると、驚いた表情で「こんな寒いのに!?、「ちょっと待ってね!まだ自転車の小屋のカギ持ってる人来てなくて、今から呼ぶわ!」と急いで担当の人に電話してくれた。15分くらいして担当のおばさん軽トラで到着。明らかに不機嫌そうな顔で、小屋を空けてくれて、チャリを貸してくれた。イレギュラーだったんでしょうね。年末に申し訳ない。

 まず向かったのは南に500mほどのところにあった、「道の駅よって西土佐」。誰が来るねんと思って入ったが、意外に人がいる。20人くらいいただろうか。車がたくさんあった。みんなどこからきているのだろう。中にはたくさんの特産品が売っている、よくある道の駅。店内を物色していると一枚のポスターが目に入った。「予土まちサイクルデジタルスタンプラリー」。チャリで指定されたスポットを巡り写真をとるタイプのスタンプラリー。予土ということで結構範囲が広いが3つのコースに分けられ、そのうち1つがこの周辺を回るコースだった。暇なのでやってみることに。すべて集めると抽選で高知特産物セットがあたる!誰もやったことないと思ったので、これはやれば当たるのではないかと思い挑戦しました。西土佐大橋を渡り、最初のチェックポイント。「四万十、川の駅カヌー館」。このブログでこんなこと書いている理由がこれだ。四万十といえばカヌー!カヌー体験をしていた。ここでのカヌーは瀬田川より気分上がること間違いなし!京大カヌー部プレイヤー長の肩書を背負って、チャリから飛び降り道場破り...冬なのでやってませんでした。以上です。

 川沿いを南に進みながらスタンプを集める。魚の植栽、ブイの人形、二段滝といった名称のスポットを回り南へチャリを進める。道のりは相変わらず、人も車もいない上がったり下がったりする山道だったが、昨日の佐田の沈下橋までの森に囲まれた薄暗く不気味な山道とは異なり、常に川のほうの視界が開いており、日光も当たっていたので気分は軽やか。スタンプラリーのスポット最も南、江川崎駅から約7kmの地点岩間沈下橋まできた。昨日の四万十市の佐田の沈下橋から北側に数えて7番目。佐田と異なり沈下橋を越えた向こう側の景色が開けており、より美しく感じた(伝われ)。橋のそばには三山ひろしの「四万十川」の歌碑。ボタンを押し音楽を再生。聞きながら、近くにあったベンチ(昔あった沈下橋の残骸がベンチとして設置してあった)に座り、道の駅で買った四万十牛のサンドイッチをほおばる。朝から何も食べてこなかったし、うまい。何回もボタンを押し6回くらいヘビロテしてしまった。いい曲。三山ひろしは年末けん玉に頼らなくても声だけで視聴率とれる。

 川を渡り、今度は向こう岸の道をチャリで漕こながら北へと戻る。途中のスタンプラリースポット「いわき食堂」に来た。まだ腹が減っている。地域にある数少ないご飯屋。こじんまりとしており、中にはたくさんの雑貨がありごちゃごちゃ。おまけに店の半分が崖から川にはみ出している。一番川に近い座敷に座った。店内は誰もいない。この時11時。天丼、かつ丼、うどんやラーメン、おでんまでも。たくさんのメニューがあったが、四万十川名物鮎定食を頼んだ。鮎はどうしても食べたかった。実は昨日の夜いった店で鮎定食を頼もうとしたが、時季外れだそうで鮎がなかなかとれず、食べれなかった。またメニュー表には鮎定食値段時価と書かれていた。定員のおばさんを呼ぶと「今日は小さいやつ2匹しかとれてなくて、1200円のやつと1500円のやつどっちがいい?」といわれた。大きさで値段が変わるらしい。1500円の方を頼んだ。ふと川側に目をやると、遠くに一人の男性が竿を持って川の真ん中に立って釣りをしているのが見える。伝統的な友釣りと呼ばれる方法だそうで、まあ説明は省くが、大変だそうな。ごはんが来た。たくさんの小鉢もあり、おいしい。何といっても四万十川を望みながら、静かに鮎を食べるというシチュエーションに酔っていた。食べ終わった後もしばらくボーっとしていたが、そろそろ電車が来る時間だ。急いでチャリを進ませ、残りのスタンプラリーを済ませる。が、一個足りなかったことに最後になって気づいた。萎え。一回通ってたのに。まあいいか。またいつかやろ。毎年やってるらしいから。結局この日も20kmほど漕いでしまった。チャリを返し、ホームへ。誰もいない。ホームには西日本一暑い駅!の看板が。こんなに寒いのに。住みにくいとこなんだろう。電車が来た。意外に中には人がいる。前述のとおり窪川発、宇和島行の予土線だ。ちなみにお隣の駅は「はげ」。縁起が悪い。江川崎以上に何もなく、ホームに椅子すらない「はげ駅」だった。

山道をごとごと進むこと1時間半。13時半宇和島到着。愛媛の西。西宇和みかんで有名。駅前は結構ちゃんとした町。次の予讃線、内子線の伊予大洲駅への電車が出発するまで約20分。何をしようかと電車内で宇和島観光地を見ていたら。“唯一”自分の目を引いたのが約1km離れたところにあった「多賀神社、凹凸寺」。とても小さい縁結びの神社で、神社のいたるところに”アレ”が祭られているそうな。間に合うか微妙なライン。それでも見たい!1kmダッシュ!道には人がちらほら。息を切らしながら神社に到着。鳥居の中にはおじいさんおばあさん7.8人が神社の掃除をしていた。顔を赤らめ、肩で息をするよくわからん男がこんな神社に何の用だ?ひやかしか?とでも言いたいような視線を浴びせてきたが、目を合わせず、どすどす中へ。いろんなところに”アレ”が!一番奥には超巨大”アレ”圧倒さらる。手を合わす。何をお祈りしたかはひみちゅ。凹凸神社の資料館は800円払わないと見れず、時間もなく口惜しいが退散。中の情報はネットに公開されていない。いつかまたいくだろう!(いやいかないか...)

再びダッシュで駅に戻る。が1分間に合わず...目の前で行った。時間通りに来すぎじゃ。高校時代何度も見た光景。しかしそれとは違い、これを逃したら2.3時間次の電車は来ない。田舎電車旅の最大のリスクはこれだ。絶対に電車に乗り遅れてはいけない。本数が少なすぎるが故の長すぎる待ち時間。さらにこれが終電だと最悪とんでもないところで一夜を明かすことになりかねない危険がある。本旅行最大のピンチ。ところが!駅にはバス停が!そのバスなんと伊予大洲駅行き。乗れなかった宇和島~伊予大洲駅の電車、そして次の目的地への電車の出発時間までにはまた待ち時間があったのだが、それまでに到着する奇跡のバス!なんという僥倖!(一応先調べた上で神社行ったから実は計画の範囲内。ただ金がかかる)。バスでショートカット。バスからは美しい海が見える。愛媛を北上。バスに揺られること1時間、15時20分伊予大洲駅に到着。こ。ちらも田舎にあるが、予讃線、愛ある伊予灘線の分かれ道故、駅前ロータリーなどもあり、少し大きめ。もちろん町は静かで、人通りも少ないが。出発までまだ時間があったので、駅前のパン屋、「パン工場Kisa」へ。びっくりするほど狭い店内。店員は一人もいない。それでもパンは20種類くらいあり、おいしそう。会計のため店員を呼ぶと、おじいさんが2階からのっそのっそ降りてきた。びっくり。安くておいしい。もう二度と来るかもしれないという感情が、味に補正をかけているかもしれないが、それでもおいしい。ちゃんと売れてるかな。もっとみんな来てあげたらいいのに。

電車到着。愛ある伊予灘線の方に乗車。電車内はまさかの満員。立っている人がちらほら出るほど。こんな田舎にこんなに人が!まさかみんな自分と同じ目的なのか!?向かうは自分の立てた数少ないプランのうち最後の目的地!さあどこでしょうか?

 

次回完結編。さらに9か月後高知リベンジ旅行!?

ぜひお楽しみに!

 

 

ということで年内に完結することができませんでした。まだ1年前のこと書いてる...ブログの回ってくる遅さよ...

さっさとこんなこと終わらせて、主将になっての抱負とか、1年生の様子とか、カヌーの調子とか書いた方がいいのでしょうが、自分が始めた物語なのでやりきります。

本当は最後まで書きたかったのですが、現在この時期ということで、またまた一人旅行をしており、快活クラブ熊本県田崎店にてパソコンをポチポチしている状態です。これ以上書くと明日のコンディションに響くのでここらへんにしときます。今年は九州一周旅行です。西日本で自分が唯一行ったことがない鹿児島、宮崎を通って(もちろん電車オンリーで)広島に帰る予定です。さすがにこの旅行のことは書かないと思います。もう引退しちゃうんで(笑)。

 

カヌーの調子はそこそこです。冬の練習も楽しく、充実したものにできました。ラスト一年頑張ります。カヌー面白いです。

それではよいお年を!