※あくまでも妄想の世界のお話なので、誹謗中傷や、リアリティは追求しないでいただけるとありがたいです( ˃ ⌑ ˂ഃ )
※閲覧注意。(BLです)
田中樹×京本大我
樹side
男性だからか、きょもの子宮は普通よりも小さいらしく…出産1ヶ月前から入院して張り止めを飲みながらギリギリまでお腹で育て、帝王切開で出産した。
出産直前の検診では2600gくらいだろうと言われていたけど…
実際は2190gの小さな女の子が産まれた。
低体重なうえに低体温だったため、抱っこすることもできず、すぐさま保育器に入れられ、我が子との初対面は保育器越しだった。
大「…樹、赤ちゃん見た?」
「うん、保育器越しだったからしっかりは見れてないけど可愛かったよ」
大「…そっか…産まれてすぐに一瞬だけ腕に乗せられたんだけど…俺、目が悪いから顔が全く見えなかったんだよね…」
「そうなんだ…」
大「…樹…、赤ちゃん…大丈夫かな…?」
産声はちゃんと聞けたものの…慌ただしく連れて行かれ、その後一度も会えていないのが不安でしょうがないらしい。
今にも泣き出しそうなきょもの手を握り、
「小さく産まれてきたけど、元気に泣いてたから大丈夫だって看護師さんが言ってた」
大「…本当に…?」
「うん、本当。だから心配ないよ」
大「そっか…良かった」
そう言って涙を流した愛しの人は、すっかりママの顔をしている。
「きょも、俺をパパにしてくれて本当にありがとう。俺…、一生かけてふたりのこと幸せにするから!!」
大「ふふっ、パパよろしくね」
そう言って微笑んだ俺の奥さんは
世界一可愛かった。
次の日、動くことを許されたきょもは
いちばんに子供に会いに行った。
まだ低体温が続いているため保育器から出ることはできず、小さな手には点滴が抜けないように包帯が巻かれている。
その姿があまりにも痛々しくて…
それを見たきょもはやっぱり動揺して泣き始め、保育器の中の小さな天使に「ごめんね」と何度も繰り返し謝っていた。
それから3日後…
低体温の症状が落ち着き、保育器から出てきた愛しの我が子をようやく自分の腕の中に抱きしめることができたきょも。
大「よく頑張ったね。
無事に産まれてきてくれてありがとう」
目を潤ませながら愛しそうに声をかける姿に俺も泣きそうになった。
大「はい、次は樹の番!」
そう言ってきょもからそっと手渡され、
その小さな身体を恐る恐る腕に抱いた。
新生児独特の匂いと、
温もりに涙が込み上げてくる。
待ち望んでいた腕の中の我が子は、透き通るような白さに、生まれたばかりなのにすでに整った顔立ちをしていて完全にきょも似だ。
「…やっぱり…
天使からは天使が産まれるんだね…」
大「…は?」
「…名前、降りてきた!!」
大「え、なになに?」
「美しい羽で、"美羽" ってどう?!俺にはこの子にキレイな羽が見えた!!」
大「ふふ、なにそれ。
…でも、めっちゃいい名前!!」
「だよね?!よしっ、決まり!!」
この日、我が家のお姫様の名前が決まった。