ポン丸山(三等三角点 点名 御料山)、三又山(三等三角点)美瑛町白金 | 独り言ちの山暦

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「風の又三郎、又三郎、早く此さ飛んで来!」「この頂で赤道から北極までの大循環の自慢話を聴かせてくれ。」

 

2024.3.19。

アイヌ語で「ポン」は「小さい」といった意味で使われているらしい。

即ち「ポン丸山」は本家の丸山に対して「小さい丸山」と言うことか。

美瑛白金に位置する丸山(1,237m)には2016.4.17に登っている。

確かに十勝岳連峰が見事までに眺望できた記憶があった。

今回はその前に位置する三等三角点 点名 御料山(878.84km)を目指すことにした。

そこを「ポン丸山」と称するようだ。

調べて見ると丸山を登ったルート上にあった。

即ち既に登った三角点と言うことだ。

それでも見事なまでの十勝岳連峰が拝めるなら再訪に妨げはない。

白金模範牧場から自然の村キャンプ場に続く道路を進み入り口地点に

駐車した。7時34分にスタートした。

クマゲラの道路標識に迎えられながら自然の村を横切る。

スノーモービルの痕跡が残るが煩わしさは最小限だ。

やがて上俵真布林道に入った。

上空には雲が広がり展望に不安が心を掠める。

林道から右手の遊歩道へと進路を変えた。

ここからはスノーモービルの痕跡が消えた。

入門アーチのように倒れかけの大木が迎えてくれた。

落雪爆弾に気を付け乍らその下を通過する。

緩やかに登りが続く針葉樹と広葉樹の混合林。

雪を踏みしめると地鳴りのような音が下から響き渡ってくる。

雪が沈む音であるが地鳴りのようで不気味でもある。

それでもいつものような心地よさに変わりはない。

自宅で読書して過ごす時間も捨てがたいが、冷たい外気ではあるが自然の

漂いが身体を包んでくれる爽快さは何も代え難いものである。

今回の山でもカバノアナタケを見つけることができた。

取りあえずは登ろう。

その先は下山時に考えることに。

日差しがでてきた。

だが弱いのだ。山にかかる雲を払いのける強靭さない様だ。

ポン丸山が近づいて来た。

期待できる光景に出会えることを切に祈った。

9時10分。ポン丸山に到着。

今回はグレードアップである。KAKU先輩が手書きした標識である。

このためにどれ程の時間を費やしたのだろう、と感謝をこめて思った。

今回のメンバーで写真。

さて期待してきた眺望である。

が、残念であった。

中々、雲が去ってはくれない。

これも仕方のないことだ。

眺望を予約してきたわけではないのだ。誰が何を裏切ったわけではない。

これは2016.4時の写真である。

十勝岳連峰がずらりと並んでいた。見惚れたことを思い返した。

それでも展望台よろしく十勝岳連峰を望んだ。

自分としてはお気に入りのオプタテシケ山が見たかった。

それぞれがお気に入りの山があるのだ。

下山時には作業も熟した。

いつものカバノアナタケ採取である。程よいところで切り上げクマゲラに迎えられ

クルマに着いたのは10時45分。

総行程距離6.1km。総活動時間3時間17分。

 

KAKU先輩からの更なる提案があった。

いつもなら通行止めとなっている白金模範牧場から白金ゴルフ場方面の道路が

除雪されていた。それでは次の三角点を踏んでみよう、と。

ゴルフ場は平成25年末をもって閉鎖となっている。いまやコース上に灌木が生え

侘しさ募る。

その三等三角点は「三又山」である。

それは旧白金ゴルフ場内にあった。スタートから三角点はほんの近距離である。

クラブハウスは雪に埋もれていた。

「兵どもの夢の跡」。北海道ではバブル期を経て29のゴルフ場が閉鎖になった。

木々を切り倒し丘陵を削り莫大な資本投下がなした跡は嘆きの対象となっている。

私も往時には何度か訪れたものだが、思い出は悔恨へと変わった。

今日は2つの三角点を踏んだ。

KAKU先輩からの急遽のお誘いであったが、今回も楽しかった。事後の

晩酌を楽しみに思える運動に感謝である。

いま島崎藤村の「夜明け前」を読んでいるが長編小説は良いものである。

今更ながらであるが本を読んで、山に遊べる近況を満足には思えるのだ。