梓山(307m)鷹栖町 | 独り言ちの山暦

独り言ちの山暦

「風の又三郎、又三郎、早く此さ飛んで来!」「この頂で赤道から北極までの大循環の自慢話を聴かせてくれ。」

 

2024.1.30。

暦の上では大寒の真っ只中である。

本当にそうなのか?と。疑ってしまうこの頃だ。

当地、旭川の朝7時の気温はマイナス2.6度。

この時期ならマイナス20度を下回っていても当然なのだ。

暖かいことはそれなりに楽ではあるが、この変容はやはり不気味である。

旭川市と鷹栖町の境界上にある梓山が今回のターゲット。

和寒町へと続く維文峠を目指し、除雪最終地点からのスタートである。

スノーモービル痕で道路は圧雪状態である。ツボ足でも大丈夫であった。

スタートして間もなく左折し目的地を目指す。

雪原に弱々しい太陽が昇る。こんな穏やかな光景に出会うと「本当に

気持ちが洗われる」と呟くMUROYさんに異議なく同調してしまう。

目指す梓山はこんもりとした低山。その上に電波塔が聳える。

その光景を正面に捉える。

やがて牧場を横切り混合林に突入する。

多少のラッセルは全く心配に及ばない。

相変わらず今回もMIYAZAK先輩が先頭で引っ張ってくれた。

日差しを浴びるととても暖かい。でも未だ1月なのだ。

蒼空と雪の白さとのコントラスト。こんな中を歩けるのはどうしても

仕合せと思ってしまう。

慎重にカバノアナタケを探しながらKAKU先輩は進む。

その探索のかいもあって下山時には沢山採ることができた。

その採り方はプロ、いや匠の技である。KAKU先輩の鑿とハンマーの使い方

には無駄な動きはない。MIYAZAK先輩が扱う鋸は生き物のように鋭く正確

であった。

やがて針葉樹が多くなってきた。頂上が近い。

標高差50mを登れば頂上であるが、もう少し歩いても良いかな、と思ったり。

KAKU先輩の目線は、まだカバノアナタケを探しているようである。

電波塔を視線が捉えた。

麓で目視したより距離はあったようだ。

高圧線は鉄甲山、雲居山方面へと伸びている。

電波塔下を潜り抜けると頂上。

作業道か林道かの空間にでた。ここが頂上と定めた。

今回もルーチン。KAKU先輩の作成の頂上標識が際立った。

俄かではあるが風が吹いてきた。

風が吹けばやはり冷たい。北海道の大寒を味わうには情けない

冷たさではあるが、梓山は優しく歓迎してくれたようだ。

鉄甲山、雲居山が懐かしい。それぞれに思い出が甦る山である。

頂上では時間を置かずに下山を開始。

下山。先に書いた様にカバノアナタケ採りに従事した。

いつになったら両先輩のような玄人になれるのだろう。だが何事にも

玄人と素人がいることで均衡はとれるのだろうから、ずっと素人でい

ても良いのだろと納得した。

穏やかな山行であった。

307mの低山である。やまの高さに拘っていた時期もあったが

いまではそれほどに感じなくなってきた。

山と自然と拘りなくユックリと接することが出来れば満足である。

総行程距離4.56km。総活動時間2時間44分。