脇の開け閉めについて。。 | 群の拳術日記

群の拳術日記

拳の道に終わりなし!!

以前も何度か書いたが、、


武術、格闘技では、どんなものであれ、基本的に『脇を閉めろ❗️』と指導される。


それは確かにそうで、空手の場合も肩を落として脇を閉めて突く。


また、レスリングや相撲も相手に脇を刺されると不利になるので、なおのこと脇を閉めろ、と言われる。


しかしながら、戦いにおいて、いつの場合でも脇を閉めなけれいけないのか❓というと、そうでもない。


肩については、必ず落とした方が良いが、肩がしっかり落ちているなら、脇が空くこともある。


空手の上段受けもそうだし、組手の構える時もそう。


脇を空けて、空間を広くとれば、腕や手の自由度が、全然違う。


また、力の出力はどうかと言うと、


これもまた脇を閉めたからと言って、力が大きくなるとは限らない。


例えばベンチプレス競技でも、脇を閉めたナローが強ければ、みんなそうすると思うが、しかしみんな脇を開けたワイドで行う。


その方が腕だけでなく、胸や背中など全身が使えるからだ。


そしてこれは、引っ張る系のベントローなどでも同じことが言える。


ということは、大きな力を出そうとするなら、脇が空いた方が良い、となる。


格闘技は単一方向の動きだけでないので、全てにおいて当てはまる訳ではないが、、


一考の余地はある。


もちろん脇を閉めた方が良い時も、たくさんある。


使い分け、状況に応じて変化する、ということ。


古(いにしえ)の武術、格闘技というものは、いかに効率良く、最短最小の力で相手を制するか、ということを研究し、これに特化し、いかに無駄無く後進に伝えていくか、という技法や技術体系が、何千年もの歴史の中で連綿と受け継がれて来た。


また、道具などは、


必要は発明の母、と言われ、、


まさに必要と思い、人類はこれを発明して来た訳だが、


武術、格闘技もまさにそうで、戦いの際、必要に迫られて様々な技術が生まれて来た。


そしてそれは長い歴史の視点からでもそうであるが、、


組手や自由攻防の刹那の時間の中でも、実は同じことが言える。


つまり、その場その場の技というものは、これを使ってどうこうではなく、基本的には必要に迫られて、状況や場面に応じて自然に生まれて来る。


もちろん練習の攻防の中で、あれこれ試してみるために、意図して技を出すことも多々ある。


しかし本来の戦いでは、考える余裕もなく、この身体に任せて動くしかない。


自ずから成るもの、、


まさしく技術は積み上げて来たものが、必要に迫られて、自然と顕在化するのみ。


闘争心が、技として顕れる。


意識と無意識の境い目に身を置く。


拳勁を内包し、完全武術体質となり、全ての動きに力が乗るようになれば、あとはどのように動いても技となる。


話が多少それたが、、


修行者の皆さんも、


脇を閉めた状態と開いた状態もそうだが、、


他についても、あれこれ試し、研究してみて欲しい。


(了)。


ウインクウインクウインク