極真空手を習って行き、組手を教わると、徐々に自分の組手スタイルを意識するようになる。
特に極真空手は組手スタイルの幅が広く、それは素晴らしい点ではあるものの、同時に自分がどんな組手スタイルが合っているか悩むところでもある。
私も33年前に入門してから、ずっと自分の組手スタイルを模索して来た。
入門当初から、松井館長(当時は館長ではなく先輩)はじめ、キラ星のように強くてカッコ良い先輩が大勢居たので、色々な先輩の組手スタイルをマネしては、強くなった気になって喜んでいた。
ある時は、突きの強い先輩の突きをマネし、、
ある時は、下段回し蹴りの強い先輩を、、
ある時は、上段回し蹴りの上手い先輩を、、
ある時は、前蹴りの上手い先輩を、、
というように、ほとんどマネしながら技を習得して行った。
(当時は先輩に質問など出来る雰囲気ではなかった)
また、組手の構え方についても同じ。
一応、オーソドックスな構えは教わった。
体重は両足5:5。人によって後ろ足前足7:3、6:4。またはその逆。
膝は軽く曲げ、腰や背中は真っ直ぐではあるがピンと張らず緩みを持たせ、身体は半身、肩落とし脇を閉め、アゴは軽く引き、拳はアゴの高さに構える、、
とまあ、大体こんな感じ。
当時何の疑問も無く、教わった通りに構えていた。
また全体の戦い方についてもしかり。
インファイトでガッツリ打ち合うか、、
フットワークでヒット&ウェイを駆使するか、、
腰を落とし練り足か、、
カウンターの合わせ技狙いで行くか、、
など、数多くの戦い方があり、その点についても悩むところであろう。
この問題は、正直黒帯になっても悩むところであり、選手時代も試合で色々と試してみたこともあった。
どれもこれも、上辺では出来るものの、心の底から納得出来るものではなかったが。。
その点、組手スタイルがキッチリ決まって活躍している選手を観ると、羨ましくも思った。
組手スタイルがハッキリしないと、多かれ少なかれ、組手に迷いが生じる。
あるいは逆に力任せや闇雲にラッシュするとかになることもある。(実はその方が得意)
下位回戦などでは通じても、上位では通じなくなって来る。
なので、自分なりのやり方で良いので、得意な組手スタイルを構築した方が良い。
私の場合は、運良く大成拳の練功に巡り会い、そこからは内家の旅路を歩んで来た過程で、悩みは氷解した。
拳法が外側の技やファイトスタイルにあるのではなく、自身の内側にあり、その内部構造と気質本能から生まれ、外形はその顕れ(あらわれ)にしか過ぎない、、ということが理解出来た。
昔は組手の構えをしていても、何となく腑に落ちない、しっくり来ない感じであったが、站椿、歩法を稽古するうちに、立つ、歩く、ということはどういうことかと、身体から感得した。
自分自身、とことん納得感を得られるまで追求してみる、、
私が稽古を通じて学んだことである。
話を戻すと、、
組手スタイルは色々試して行けば、自然と自分に合ったスタイルになって来るので、焦らずに、楽しみながら作って行って欲しい。
芸術家が作品を作るのと同じように、、
稽古の楽しみの一つがここにある。。
(了)。