花形満と星飛雄馬の年齢について、まず堀井氏は両者が甲子園で対決したから2歳差として、初対面で飛雄馬は小5、花形が2歳上で中学生(小5より2学年上だと中学1年)としている。
しかし、テニスを10年練習、車を運轉していたことから初登場の花形が16歳以上である可能性も指摘している。
それで1958年で星飛雄馬は11歳、花形満は16歳、1966年で星飛雄馬は16歳、花形満は18歳で、初めの1年目を勘定に入れると、実社会では9年間が星飛雄馬にとって6年間、花形にとって3年間だったことになるらしい。

 

これで堀井氏は「花形と星の年齢が等しくなるのはいつか」という問題を出している。
これは連立一次方程式の問題で、
(西暦,年齢)という座標を考えると
(1958,11)と(1966,16)を結ぶ直線があって、
(1958,16)と(1966,18)を結ぶ直線が別に存在し、交点の座標は何かという問題だ。
堀井氏は解答を出していない。

しかし星飛雄馬と花形満の年齢が同じになるケースは別に考えられる。

 

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〔2020年(令和2年)3月

 

注釋
「花形と星の年齢が等しくなるのはいつか」
ここで堀井氏は

星飛雄馬が1958年で11歳、1966年で16歳、

花形満が1958年で16歳、1966年で18歳という假定をしている。
この場合、星飛雄馬は8年間で5歳年を取るので1958年で11歳、1966年で16歳、1974年で21歳。
花形満は8年間で2歳年を取るので1958年で16歳、1966年で18歳、1974年で20歳。
つまり1974年までに飛雄馬が花形の年齢を上回る。では具体的に西暦何年になるか。

 

ここで(星飛雄馬の年齢,花形満の年齢)=(x,y)という座標を考えてみる。
直線のグラフにした場合、(11,16)と(16,18)の2点を通過し、この2点では x<y(星<花形)であるが、これが x=y(⇔星=花形)となる座標を考えればいい。
この場合、 y=0.4x+11.6 と x=y の交点の座標における x=y=…の值を求めることになる。
計算すると 19.3333…=19+(1/3)になるので、両者が19歳のときである。

 

ではこうなるのは西暦何年か。
今度は(星飛雄馬の年齢,西暦)=(11,1958),(16,1966)という座標で考える。
すると(星飛雄馬の年齢増加÷西暦の年数の増加)=⊿y/⊿x=8/5=1.6であり、y=1.6x+1940.4 となる(普通の人はこの⊿y/⊿x が 1 になるはずである)。
ここで x=19.333…を代入すると y=1971.333…=1971+(1/3)になる。

 

∴星飛雄馬と花形の年齢が等しくなるときは西暦1971年、両者の年齢は19歳である。

なお、花形が8年で2歳だけ年を取るのは4年に1度年を取るわけで、閏年の2月29日生まれの人について言われる俗説を思い出させるが、2月29日生まれの人の場合、平年での誕生日は2月28日か3月1日のいずれかである。

 

花形満が1940年代生まれとすると、1940年代で閏年は1944年と1948年であるが、花形満の場合、『新巨人の星』の描写から誕生日は七夕前後のようなので、閏年は関係ない。
なお、堀井氏の假説にもとづいて星飛雄馬と花形満の生年を計算すると、初登場時、星飛雄馬は1957年生まれ(1958年で11歳の場合)、花形満は1942年生まれ(1958年で16歳の場合)になり、星飛雄馬が高校に入ったときでは星飛雄馬は1950年生まれ(1966年で16歳)、花形満は1948年生まれ(1966年で18歳)である。初登場時の星飛雄馬が紅洋高校時代の花形より1歳年上になっている。

 

別に考えられる
もし星飛雄馬が初登場時の1958年で10歳で、花形満が高校高校のキャプテンとして再登場した1966年で18歳と設定すると星飛雄馬と花形がどちらも1948年生まれとなり、常に「同い年」になる。
もっともこの場合、花形が初登場時で10歳となり、星飛雄馬が1966年で18歳の高校3年生になり、劇中の描写と合わなくなる。飛雄馬は1958年で10歳だと高校入学は1964年。1958年で11歳だと高校入学は1965年。川上巨人V9は1965年からであり、高1秋の退学が1967年とすると空白期間は1年どころか2年または3年になる。
1958年当時、飛雄馬がかよっていた小学校で赤川という少年が6年生で、赤川は花形と話すとき、明らかに花形を年上としているので、花形は中学1年以上だったことになる。

 

参照

 

〇『「巨人の星」に必要なことはすべて人生から学んだ。あ。逆だ。』(堀井憲一郎・著

 

『「巨人の星」に必要なことは~』について補足と注釋

 

『巨人の星』から学んだこと

 

『「巨人の星」に~学んだ』について補足・その2

 

星飛雄馬と花形満の年齢変遷(グラフ形式)