中村勘三郎さんが、食道癌の摘出手術後に肺の疾患が見つかり、
来年の2月の公演には出演しないと発表されました。
勘三郎さんの肺の疾患については詳しくは分かっていませんが、
一昔前は、肺病といえば肺結核のことで、恐ろしい病気でした。
樋口一葉
二葉亭四迷
国木田独歩
正岡子規
石川啄木
いずれも名だたる明治以降の文豪であり、そして肺結核により亡くなっています。
同じく文豪の梶井基次郎は、京都の第三高等学校に在学中、四条大橋の上で、
「肺病になりたい。肺病にならんとええ文学はでけへん」と叫んだそうです。
無謀とも思える願望でしたが、その願い通り19歳で肺結核にかかり、
そして、その後、代表作である「檸檬」を残すのです。
現在でも、マラリア、エイズと並ぶ三大感染症とされ、特にアフリカでの
蔓延は深刻。
日本でも、年間に2万人以上の新規患者が出るほど、なくならない病気です。
「不治の病」と呼ばれることはなくなりましたが、みなさんもくれぐれも
ご注意ください。
そして、中村勘三郎さんが早くよくなられることを願っています。