…『天橋立図(雪舟)』『瓢鮎図(如拙)』

が描かれた時代はいつか?

 

水墨画の全盛期は室町時代である。

 

この時期の美術は、

禅宗美術や武家の唐物趣味

などに特徴がある。

 

足利義満の山荘「北山殿(金閣寺)」に

因んだ北山文化の時代には

中国の宋・元の画家たちの絵画が珍重された。

 

中でも南宋期の画家・牧谿(モッケイ)の水墨画は

「観音猿鶴図(三幅対・国宝)」に

義満の所有を表わす印が

押されている様に重宝されて数多くもたらされた。

 

 

一方、

亰都五山の禅僧の間に

「詩と絵を同じ掛軸に描く、詩画軸」

の流行を通して水墨画に

優れた技量を発揮する画僧も現れた。

 

終生、東福寺に居り

仏画の巨幅を描いた明兆(ミンチョウ)、

相国寺の画僧で代表作の

『瓢鮎図』を描いた如拙。

 

 

同じく、

相国寺の画僧で雪舟の師

であると共に日本的な

水墨山水表現の端緒を開いた周文。

 

 

 

その周文に相国寺で学び、

山口に移った後、

中国・明に渡って本場の水墨画に触れ、

実際の中国の山水自然環境から

多くを会得した雪舟は帰国後、

『四季山水図(山水長巻)』をはじめ、

晩年の『天橋立図』など

国宝指定の名作を数々生み出し、

室町水墨の画聖的な存在となった。