みなさんこんにちは。前回からの続きです。
4月13日(日)に開幕した「EXPO2025 大阪・関西万博」。通算15回目となった5月29日(木)の訪問記をお送りしています。



ただいま「中国パビリオン」を観覧しています。悠久の歴史に、我が国との関係についでもあちらこちらで取り上げられているのが印象的です。

さて、2階の展示に移動するスロープに並ぶ、日中の歴史を作った偉人たちの木彫り装飾は、なかなか興味深いシーンが続きます。
固い握手を交わすのは、当時の鄧小平副首相(1904-1997)と松下幸之助翁(1894-1989)。パナソニックの創業者です。では、出典①。
「21世紀は日本や中国などアジアの時代」と予言していた松下幸之助。中国におけるパナソニック発展の歴史は、37年前の1978年10月28日、中国の鄧小平副首相がテレビ事業部を訪問したことに端を発する。
1978年10月、「日中平和友好条約批准」のため訪日した鄧小平副首相は、当社の茨木テレビ事業部を訪問。「松下さん、あなたは日本で経営の神様と言われています。中国の近代化を手伝ってくれませんか」と呼び掛けた。これに対して幸之助は、「できる限り中国の近代化に協力させていただきます」と、即座に答えた。
この瞬間、「中国国民の生活向上に貢献する」ことを目指した松下電器の中国事業が始まった。鄧小平氏の招聘により、松下幸之助は1979年と1980年に訪中し、中国における電子工業の近代化を図るための「日中電子工業連合合弁会社 設立構想」を話し合った。出典②。
ところが、日本の電子機械工業会で賛同が得られず、「それならば松下電器が単独で合弁会社をつくろう」と決意。合弁会社の設立にあたっては、「中国で最も歓迎される業種を選定すべきである」との基本理念に基づき、輸入に頼っていたカラーテレビの基幹部品であるブラウン管を選定。数年にわたる中国当局との交渉を経て、1987年に中国における合弁会社第一号「北京・松下彩色顕像管(有)」が設立された。

生産開始に向けて、当社の経営理念である「ものをつくる前に人をつくる(注釈∶松下電器は人をつくる会社で、合わせて家電もつくっている、と幸之助翁は公言していた)」との考えのもと、第一ラインを担当する250人全員が、半年間、日本で実習した。スピードも品質も日本と遜色ないレベルにまで習熟、1989年6月、北京での生産第一号機が完成。その後、同社は飛躍的に製品の生産販売数を伸ばしていった。
1979年の訪中では、こんなエピソードもある。技術合作先の北京電視機廠を訪問した松下幸之助は、「皆さんはカラーテレビをつくることに非常に努力されている。こういう努力を続ければ、必ず数年で日本の技術に追いつき、また日本にない新しい技術を開発されることでしょう。その時には、最初に松下電器にその技術を売りに来てください」と述べて、列席した関係者を唖然とさせたという。
これはリップサービスではなく、幸之助の本心であった。中国は今や世界最大の巨大市場であり、研究開発を含めて"世界の工場"であることは言うまでもないが、創業者は中国の可能性と将来性をいち早く確信していたのだ。出典③。
なるほど…人口増加の著しい中国は、日本にとって巨大市場になることを予見していたという。これは幸之助翁の先見の明ですね。

前回の佐伯氏や幸之助翁と、実に奥深いエピソードばかりですので感嘆するのですが、このようなお互いの深い信頼に拠る関係、懐の大きさというのこそ、いまの日中関係では大事なことのように感じます。
当時は、先の大戦が終結してようやく国交正常化を実現した時代背景もあったのでしょうが。



さて、続いての展示は、お国の一日をなにげない市民の生活風景を切り取り紹介するという映像展示。十二支で時刻を表すのが中国らしい。





芝居でなく、ごく普通の市民の生活を垣間見るこのような展示は大好きです。なんら、飾りがありませんので。


さらに別館に向かいます。ここにも木簡はあったんですね。全部で、どれくらいの名句や諺の数が記されているのでしょうか。


こちらでは、うって変わって近年、お国で著しい宇宙開発についての展示が並びます。

お、月のオブジェがきれいですが、この前に飾られているガラスケースに、長蛇の列が出来ているではないですか。これが、中国パビリオン随一の目玉、というのですが。


お国の探査船が、月面の裏側から採取したという「月の砂」!へぇっと感じますが、このあたりはアメリカパビリオンの「月の石」展示と張り合っている気がしないでもありません(汗)

これは、一回入場しただけでは見切れないほどの内容です。
また機会を見つけて入ってみたくなりました。

最後にはグッズショップでした。




ピンバッジに、やはりパンダですね。かわいらしい。日本人はどうしてもパンダに釣られますね(汗)


次回に続きます。
今日はこんなところです。
(出典①「パナソニック ホールディングス」公式サイト)
https://news.panasonic.com/jp/stories/522
(出典②「PHP」公式サイト)
https://www.php.co.jp/php/topics/konosuke/article-30264.php